2003年のスイス経済は停滞期へ?
スイス連邦経済相経済管轄局(SECO)は、1月にスイス経済の2003年の実質国内総生産(GDP)成長率を0,8%と予測したが、16日、これを下方修正してゼロ成長になるだろうと発表した。
世界経済、特にユーロ圏の景気回復の兆しが見られないうえ、強いスイスフランがスイス経済に悪影響を与えているとSECOは分析する。
障害
SECOによると「ユーロ圏の成長が予測通り、1,1%の成長率にとどまり、フラン高が続くのであれば、スイスの経済成長は難しい」と見る。このスイス経済の予測成長率の下方修正は先進国と新興国の低い成長率を反映している。さらに、強いフランによる輸出の伸び悩みやイラク戦争などの不安要因からの個人消費など、内需低迷も要因になっているとみられる。SECOは今後も個人消費は伸び悩み、設備投資も落ち込むだろうとみている。2003年の失業率も当初発表した3,8%を4,2%に修正している。
ユーロ圏の苦難
ユーロ12カ国では最大の規模のドイツ経済だが、ドイツ連邦統計庁は15日、2003年1-3月期のドイツ(GDP、速報値)成長率がマイナス0,2%を記録したと発表した。スイスの2003年1-3月期、GDP成長率の公式数字は6月上旬に発表される。
2004年の見通しは ?
2004年のスイス経済の見通しについて、SECOは公共投資が0,1%から0,4%へ上昇するが、輸出と輸入は収縮すると予測している。しかし、インフレはコントロールでき、金利は1月と同じ0,7%になるとみている。2004年の成長率に関しても当初発表した1,9%から1,6%へ下方修正、悲観的な見方を示した。
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