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堅調なスイスの高級ホテル 

チューリヒの高台に建つ高級ホテル「ドルダー・グランド」。金融危機の直前に改築され、再オープンした Keystone

スイスの高級ホテル業界は、好調なウインターシーズンを終えた。サマーシーズンにも期待がかかる。

4月6日、スイスの高級ホテル連盟「スイス・デラックスホテルズ ( Swiss Deluxe Hotels ) 」は加盟ホテルに対するアンケート調査の結果をもとに、今年の明るい見通しを発表した。
 

高いレベルで安定

 スイス・デラックスホテルズには、39軒の高級5つ星ホテルが加盟している。
「予約状況は昨年に比べると断然良く、2008年の記録的な年に近づいている」
 と喜ぶのは、中央スイスにある「パークホテル・ヴェッギス ( Park Hotel Weggis ) 」の支配人ペーター・ケンプファー氏だ。
「特に大きく伸びているのはビジネス分野。今年は良い年になりそうだ」
 と期待する。

 吉報は典型的な冬の観光地グラウビュンデン州からも届いている。サンモリッツの「バドゥルッツ・パレスホテル ( Badrutt’s Palace Hotel ) 」のマネージングディレクター、ハンス・ヴィーデマン氏は、今年の見通しを
「総合的には、過去2番目の好記録となった昨年の業績に近い年間目標を達成できそうだ」
 とまとめた。

 アローザ ( Arosa ) 、グシュタード ( Gstaad ) 、ツェルマットなどの観光地にある高級ホテルも、昨年のクリスマスから元旦にかけてはすべて満室となった。また、ウインタースポーツに最適の天候が続いたこともあり、1月と3月は平均以上の業績となった。

 一方、傾向としては観光地でも都市でも全体的に直前になってからの予約が目立っている。また、特に都市部のホテルで大きな催し物が減少したこともこのウインターシーズンの特徴だ。その代わりに小さなビジネスイベントが増加した。

 大きな懸念の種は対スイスフランで弱いユーロ、そしてイギリスの通貨ポンドの下落が続いていることだ。イギリス人観光客の数はすでに昨年からスイス各地で減少している。また、ロシアからの観光客の減少も目立った。逆に増加したのはアメリカ、ベネルクス、フランスからの観光客だ。訪問先はフランス語圏が多い。ドイツと自国スイスの観光客数は高いレベルで安定している。

 これからの夏のシーズンに対しては、ほとんどのホテルが慎重ではあるが楽観的な見方をしている。スイス・デラックスホテルズの事務局長を務めるフィオレンツォ・フェスラー氏は
「予約状況は全体的に昨年より良い。金融危機の前の3年間は素晴らしい年だったが、現在でも高いレベルを保っている。各加盟ホテルは革新的で創造的なサービス、サービスの継続的拡充で2010年の夏のシーズンにしっかり備えている」
 と期待を寄せている。

swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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