国産のスイス木材をプレスして、絶滅危惧種の材質に似せる技術が編み出された。
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黒壇(エボニー)の堅くて音の伝導に優れた材質は、良質なバイオリンの指板を作る時にとても重宝する。だが楽器製作者は絶滅危惧種に指定されているエボニーをなかなか手に入れることができない。取引が規制されているため、輸入時には申告が必要だ。
これを背景に、スタートアップ企業「Swiss Wood Solutions外部リンク」は、国産のカエデとトウヒ材を圧縮し、エボニーに似た材質を作る方法を開発した。スイス連邦材料試験研究所(EMPA)に設置された巨大なプレス機で、特定の楽器作りに最適になるよう、木材の密度と音の伝わり方を微調整するという。
この木材を使って作られた楽器をプロの音楽家が使ったところ、本物を使ったものと同じくらい良いと高い評価を得た。この方法は、アクセサリーや時計産業でも利用されている。
1立方メートル当たりの生産コストは20万フラン(約2200万円)と、輸入木材の10倍。それでもこのプレス機の人気は高く、2年先まで予約はいっぱいだという。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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だが、新しい治療法を試すハードなフィールドワークを終えて夕方ホテルに戻れば、ノートパソコンを開いてイヤホンをつけ、楽譜をめくりながらオーケストラの楽曲を聞くこともある。国連オーケストラの団員であるリーンハルトさんの、次のコンサートに備えた練習のやり方だ。
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今回発売されたマニ・マッターの名曲が収められたカバー・アルバム「Und so blybt no sys Lied(彼の曲はこうしてまだ残っている)」に収録された20曲の中の「Ds Lotti schilet (Yorime no Lotti)」を歌うのは、チューリヒを拠点にヨーロッパ各地で活躍するエレクトロ・ポップ・デュオのティム&プーマミミ。スイス人のティムさんがサウンドを担当し、日本人でボーカルのプーマミミさんが歌うこの曲は、アルバムの中で唯一、外国語でカバーされた曲だ。
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