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ボトックスが脳に与える影響

チューリヒ大学の研究者は、ボトックス注射が脳に副作用を与える可能性があることを発見した。

ボトックスという名で知られるA型ボツリヌス毒素は猛毒だ。顔の筋肉を麻痺することでしわを伸ばす。しわ治療の特効薬として大人気だ。

チューリヒ大学が近日発表した研究によると、ボトックス治療は脳の反応に影響を与える。

研究チームはボトックス治療前後の電気伝達を測った。額やまつ毛を動かすことで顔の多くの神経を伝わって脳が刺激される。

ところがボトックス注射後、数カ月にわたり顔の筋肉は麻痺し続ける。そのことで脳が手からの刺激に対しても反応が鈍るという結論に達した。

チューリヒのスムーズライン美容クリニックでは、毎日30人ほどがこの薬品で治療を受ける。治療は30分から1時間ほどかかり 費用は約500フラン(約5万8千円)。

スムーズライン美容クリニックのダン・イゼリン医師は、「ボトックスの研究は世界各国で非常に進んでいる。チューリヒ大の主張はまだ仮説にすぎず、さらに多くの実証が必要である」と言う。

ボトックス製造元アラガン社によると、この薬品を使って手の感覚がなくなったという実例は報告されていない。チューリヒ大学は研究を続ける。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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