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ミナレット建設にゴーサイン

ランゲンタールのミナレットはまだ杭が打たれているのみ Keystone

ベルン州当局は9月21日、ランゲンタール市に申請が提出されていたミナレットの建設を再度許可した。ミナレットは、イスラム教寺院に付属する尖塔だ。

この建設計画に対しては、2009年11月の国民投票で「ミナレット建設禁止」イニシアチブが可決される数カ月前にすでに許可が下りていた。

許可は下りても…

 ベルン州建設省は許可の理由について、ランゲンタール ( Langenthal ) 市は国民投票の5カ月前にすでに1度建設を許可していることを挙げた。建設予定のミナレットとドーム型の屋根は建築法規にも則っている。

 ミナレット建設のゴーサインは出たものの、その一方で州当局は、イスラム教施設の拡張および改装に抗議していたある住民の苦情も認めた。その住民によると、ミナレット建設計画は同地区に適用される規定に則ってはいるが、敷地の中の居住部分が占める割合が大き過ぎ、また駐車場や駐輪場が少な過ぎるという。さらに、寺院の入り口はバリアフリーではなく、車椅子で出入りができないことも指摘されている。

 イスラム教団体の弁護士は、寺院の拡張が認可されなければ、同団体は大きな問題を抱えることになると言う。
「計画していた拡張を断念してもここにミナレットを建設するかどうか、検討しなければならない。現在の場所にとどまるのであれば内部を改装するだけとなり、おそらくここ2、3年のうちにミナレットを建てることになるだろう。だが、新しい場所に移設することも考えられる。そうなれば、ここに今以上の投資をすることはない」

 ベルン州建設省の決定に対しては30日以内に異議を申し立てることができ、ミナレット建設計画の賛成派も反対派もこの権利を行使する可能性がある。

 スイスの有権者は2009年11月29日、「ミナレット建設反対」イニシアチブを可決し、国際的な注目を集めた。スイスでは現在、ミナレットはチューリヒ、ジュネーブ、ヴィンタートゥール ( Winterthur ) 、ヴァンゲン・バイ・オルテン ( Wangen bei Olten ) にあるのみだ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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