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在外スイス人、E-投票を要求

「在外スイス人議会 」の会合はベルンの市庁舎で開かれた Keystone

3月31日、ベルンに集まった「在外スイス人議会 ( ASR/CSE ) 」は遅くとも2011年の選挙までには、インターネットによる電子投票が実現するよう要求した。

また各政党の政策を解説する説明書を、外国に住む全てのスイス人に、例外なく送るように求めた。

  「在外スイス人議会 ( ASR/CSE ) 」は在外スイス人で構成される「在外スイス人協会( ASO/OSE )」の最高決議機関である。「単に投票すればいいというもではありません。選挙運動にも関わりたいのです。そういうことをする時がきているのです」とASOの名誉会長ゲオルク・シュトゥッキ氏。ASRのメンバー120人が圧倒的多数で承認した決議案は「在外スイス人全員が例外なく各政党の方針、政策を解説する説明書を受け取ること」を強く要求している。

E-投票

 在外スイス人で選挙権の登録をしている人の総数は11万1000人。選挙に参加し、自分たちの権利を守るために、ASOは次のような計画を提示した。

 4つの政権党と協力して、選挙に積極的に関わること、スイスインフォと共同して選挙フォーラムをつくること、外国の主要都市、ウィーンやニュルンベルク、モナコなどで選挙フェアを行うことなどである。

 また、インターネットでの電子選挙、広い意味ではサイバー事務処理が大きな議題となり、2011年の連邦の総選挙には遅くともE-投票が行われることを要求する決議をした。

 連邦外務省 ( EDA/DFAE ) の政治第6課のマルクス・ベーリン氏は「2010年から2011年以前には実現は無理でしょう。連邦レベルだけでなく州レベルでも仕事を早めなければなりません」と言う。

バチカンのスイス衛兵

 「バチカンのスイス衛兵は86%も選挙登録をしています」と喜ぶのはシュトゥッキ氏。バチカンのスイス衛兵110人の隊長もベルンのASRに出席した。

 バチカンのスイス衛兵になるには様々な基準の他に、単にスイスのパスポートを持っているからスイス人だというのではなく、スイス人としてのきちんとしたアイデンティティーを持ち、スイスとの密接な関係を保つことが重要だという。ASOの会長ルドルフ・ヴィダー氏も、在外スイス人全般に同様のことが言えると考えている。

swissinfo、ピエール・フランソワ・ブッソン、里信邦子 ( さとのぶ くにこ ) 意訳

「在外スイス人議会」は「在外スイス人協会( ASO/OSE )」の最高決議機関。スイスの行政機関などに対して在外スイス人の利益を守る。

同議会は年に2回会合を開く。そのうち1回は、在外スイス人に関わる政治問題決定などを検討する「在外スイス人年次会議」と時を同じくして行われる。

同議会は全世界のスイス人コミュニティから130人、スイス内から40人が代表として選ばれている。

2006年12月付けで、64万5010人のスイス人が外国に在住する。前年比1万794人増で、1.7%増えた。

在外スイス人は2000年から2006年の間に、11.1%増加した。

在外スイス人の39万182人が欧州連合 ( EU ) 内に住む。そのうち1番多いのが、フランスで17万1732人。次いでドイツの7万2384人が続く。

ヨーロッパ以外では、アメリカが1番多く、7万1984人。次いでカナダの3万6374人、オーストリアの2万1291人が続く。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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