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「自己批判より自信を」

ミシュリン・カルミ・レ大統領はもっと自信を持とうと呼びかける Reuters

連邦内閣内の親密な協力関係、対欧州連合 ( EU ) 関係の発展、世界的な問題の解決に向けた建設的な寄与。ミシュリン・カルミ・レ氏は2011年の政治目標にこれらを掲げる。

このコンテンツは 2011/01/05 15:00
ジェラルディン・アイヒャー, swissinfo.ch

ジュネーブ市出身、現在65歳の社会民主党員 ( SP/PS ) カルミ・レ氏は、2007年に続いて今年2度目の大統領職に就任。しかし、2011年は前回よりも波乱に富んだ1年になりそうだ。

そんな予感を前にカルミ・レ大統領は、より深い自信を持ち、自己批判を控えるよう訴える。

スイス・ドイツ語放送 ( 以下SRG ) : 連邦大統領としての最も大きな任務は何ですか。

カルミ・レ : まず、内閣を率いること。ここで一番大切にしたいのは親密な協力関係だ。次に、わたしは外国におけるスイスの声になるつもりでいる。この役目はわが国に圧力がかけられている時期には軽視できないもの。隣国との問題を解決し、EUとの関係も深められるよう努力する。

国際社会のレベルでは、グローバルな問題の解決に向けて建設的に寄与したい。世界は非常に密なネットワークとなっており、何がしかの決定が下されれば、それは遠い地まで相互的な影響を及ぼす。ユーロ危機、テロ、貧困、移民の流入、環境保護、気候変動などを考えればすぐに分かるだろう。このような世界的な問題を抱えているのだから、スイスは孤島ではいられない。

SRG : 2011年は選挙の年です。連邦内閣が解決策を見つけるための任務を首尾よく果たすには何が必要でしょう。

カルミ・レ : 先ほども述べたように、わたしは親密な協力関係を重要視している。各閣僚は一緒に話し合い、ともに妥協策を探り、ともに決断を下さなくてはならない。政治的な感受性がそれぞれ異なるため、容易なことではないが。

国のためになる良い解決策を得るには、個人の考えや政治的イデオロギーよりもまずスイスの国益を優先させるべきだ。

SRG : 4年前に初めて大統領を務めたとき、連邦内閣はよく機能しており、精力的に決定を下したと話していらっしゃいますが、それは今も変わりませんか?

カルミ・レ : 問題の多い時期があり、UBS銀行危機、銀行守秘義務への圧力、リビア危機などは内閣にとって簡単な問題ではなかった。だが、じっくり見てみると、内閣はこれらの危機によく対処したと思う。リビア問題では、2人の人質が無事帰国した。わたしにとってこれは一番大切なことだ。

守秘義務については、スイスは経済協力開発機構 ( OECD ) の水準をクリアしている。これから各国との2カ国租税条約でこれを実現化する。

アメリカのUBS問題は条約を結ぶことで落ち着いた。スイスはアメリカのような大国を相手にしても自国の利益を固守できることを示した。

しかし、連邦内閣に問題があるという印象は拭い切れない。各政党や国民からも批判されている。

批判されるのは普通だが、わたしは時折、スイス人は自己批判の達人ではないかと思うことがある。そこでみんなに、もっと自信を持つよう呼びかけたい。わたしたちは世界の中の取るに足らない存在ではないし、自分を防御することも知っている。そのことをもう少しよく自覚すべきだ。

SRG : スイスはヨーロッパに関する大切な決定を迫られています。どうすればスイスの世論をEU寄りにすることができるのでしょうか。

カルミ・レ : EUとの関係強化は、大統領を務めるこの1年間で優先して行いたいことの一つ。EUは最も重要な政治的、経済的パートナーであるため、これは可能なはず。

これまでは2者間協定の道を歩んできた。経済と安全保障に関しては、これまでの結果は悪くない。

だがスイスの主権に関しては、少し異なる。EUからは法律など多くのルールを受け入れているのに、こちらからは口を出すことができない。それで満足するわけにはいかない。

EUは、120の協定 ( 編集部注:第1次および第2次2者間協定 ) には多大な労力を必要とするため、関係は単純化されるべきだと主張する。5億人のEU市場への参入でスイスは利益を得る、だからEUのルールに準ずるべきだという考え方だ。

だがスイスはEU加盟国ではない。主権を理由に、EU法の自動的な導入に対しては「ノー」と表明する。交渉では、イニシアチブやレファレンダムなどのスイスの民主的権利は維持されるべきだ。

SRG : スイスの国連安全保障理事会入りも議題に上っています。安保理入りはスイスにとって名誉ですか、それとも義務ですか?

カルミ・レ : 安保理入りは第一に責任を意味する。国連加盟国として、スイスは平和活動に多額のお金を支出している。だが、その活動の内容や報告を決定するのは安保理だ。となれば、安保理入りをして決定に加わるべきだろう。国連加盟国として安保理入りすべきだと思う。

SRG : 在外スイス人は彼ら「第5のスイス」を国家の優先課題とするべきだと主張しています。この期待は現実的ですか?

カルミ・レ : 在外スイス人は外務省 ( EDA/DFAE ) にとってもわたし自身にとっても優先課題の一つ。外国に住んでいる70万人のみでなく、観光客として外国を旅する多くのスイス人もこれに含まれる。

その優先順位はかなり高く、外務省に新しく領事管理部を創設した。これで必要な場合には、外国のスイス人すべてに政府の保護を保証できるはずだ。

ミシュリン・カルミ・レ氏の略歴

1945年ジュネーブ生まれ。政治学を専攻。社会人としての初仕事は書店の責任者。

1981年に政界入り。社会民主党 ( SP/PS ) からジュネーブ州議会議員に当選。

1997年末ジュネーブ州政府に入閣し、財務省を担当。

2002年12月4日、連邦議会で連邦大臣に選出される。就任当時から現在まで外務省 ( EDA/DFAE ) を担当。

2007年、初めて連邦大統領に就任。

2011年12月初め、2度目の連邦大統領に選出されたが、得票数は109票と1939年以来最悪。

右派および中道派の連邦議会議員は、リビア問題の際に独断で勝手な行動をしたとカルミ・レ氏を批判している。

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スイスとEU 緊張の1年

6月8日:各国の財務大臣が、EUの企業税基準をスイスにも適用させる意向を強化。EU加盟国は相互に税収を奪い合う税制度の廃止を義務付けられている。

6月17日:スイスがブリュッセルで、イメージ改善のための戦略を発表。

9月7日:欧州議会がスイスにおける人の往来の自由の「障害物」を批判する決議を採択、2者間協定による制度の近代化を求めた。

9月17日:スイス政府がヨーロッパ政策に関する報告をまとめ、2者間協定路線の継続を発表。

11月12日:EUのビビアン・レディング委員がローザンヌで、2者間協定路線の時代は終ったと述べる。

11月15日:EUスイス大使館50周年を記念して、ブリュッセルで盛大な式典が催された。式辞の中でカルミ・レ外相はEUの「スイス化」を賞賛。

11月28日:国民投票で、犯罪を犯した外国人の国外退去制度強化を求めるイニシアチブを承認。これは人の往来の自由を認める協定に反するが、EUは成り行きを見守る姿勢。

12月6日:自由貿易協定の実現化を委託されているスイスとEUの混合委員会がブリュッセルで会合。両者とも障害の存在に言及。

12月14日:EUの外相がスイスとEUの関係について批判的なポジションペーパーを発表。

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