アルコール消費 減少してもまだ大きな問題

スイスでは2009年、前年に比べてアルコール消費量が減少した。連邦アルコール事務局 ( EAV/RVA ) が7月29日に発表したところによると、昨年のアルコール消費量は1人当たり8.6リットルだった。
しかし、アルコール乱用は依然として健康政策上の中心問題の一つに数えられている。
無料配布の禁止
1人当たりのワイン消費量は前年の38.6リットルから37.9リットルに減少。ビールは58リットルから57.3リットルに、アルコール度数が40%の蒸留酒も4リットルから3.9リットルに減少した。
2009年の数字は、過去20年間の傾向が継続していることを確認するものだ。1990年以降、1人当たりの純アルコール年間消費量は2.2リットル減少した。
しかし一方で、この間、度数の高いアルコール消費が増え、蒸留酒の消費量は1999年から2008年の間に0.4リットル増加した。その主な理由として、1999年に蒸留酒の均一税率が導入されたことにより、ウイスキー、ジン、ウォッカなどの人気のアルコールが一部極端に値下げされたことが挙げられている。
全体的な消費量は減少しているが、アルコール乱用とその社会的な影響が現代の健康政策上の中心問題であることに変わりはない。スイス全体の平均アルコール消費量は減少しているものの、依存症などの危険性を持つ人々だけを見ると、その消費量は増加しているからだ。
このため、ひどく酔うまで飲酒したり、週末にしたたか飲んだりという新しい形のアルコール消費が問題化している。これは特に若い人に多い。
その対策として、連邦政府はアルコール事業法の全面改正に際し、アルコールの無料配布の禁止を盛り込むよう提案している。また飲食業界に対しても、最も安いアルコール飲料よりさらに安価なノンアルコール飲料を少なくとも3種類提供するべきだという考えだ。
改正後の法律は、飲食業界をより良く管理するための基礎となるべきものでもある。将来は若者をテストパーソンとして店頭や飲食店に送り、未成年へのアルコール販売の取り締まり強化を図ることも考えられている。
swissinfo.ch、外電

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