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スイス、安定ヨウ素剤配布範囲を50キロに拡大

ミューレベルク原発近郊に住むベルン市民に配布された安定ヨウ素剤 Keystone

スイス政府は先週22日、原発事故対策として、これまで原発から半径20キロ圏内の住民に配られていた安定ヨウ素剤を、半径50キロ圏内に拡大して配布すると発表した。配布にかかるコストは原発運営会社が負担する。

このコンテンツは 2014/01/28 11:00
swissinfo.ch、外電

スイス政府は今回、福島原発事故を受け、安定ヨウ素剤の配布基準を改定した。安定ヨウ素剤は、適切なタイミングで服用すれば、放射性ヨウ素が甲状腺に蓄積するのを防ぐ。連邦内務省保健局は、配布を原発50キロ圏内に拡大することで、過酷事故が起きた場合にこれまで以上に住民を守れるとしている。

安定ヨウ素剤の配布は今年の秋から始まる。原発から50キロ圏内の住民には、1パック12錠が郵送される。錠剤の有効期限は10年。50キロ圏内にある各企業にも配布され、原発事故が就労時間内に起きた場合でも服用できるようにする。

これまでは、原発20キロ圏内の住民に対しては国が安定ヨウ素剤を事前配布し、原発20キロ圏外では、各自治体が安定ヨウ素剤を備蓄し、緊急時に12時間以内に住民に配布することになっていた。

しかし、「安定ヨウ素剤の配布が自治体に委ねられていることで、対策にばらつきがある」と、連邦内務省保健局は指摘。また、原発50キロ圏内に位置するチューリヒ、バーゼル、ルツェルンなどは人口が多いため、住民に12時間以内に安定ヨウ素剤を配布するのは困難であることから、スイス政府は安定ヨウ素剤の配布範囲を原発50キロ圏内に統一し、事前配布を国が行うことにした。

配布にかかる費用3千万フラン(約34億円)は、原発運営会社が負担する。これまでの規定では、原発20キロ圏内の事前配布にかかる費用は原発運営会社がすべて負担。原発20キロ圏外での安定ヨウ素剤の備蓄及び緊急時の配布にかかる費用は、原発運営会社と自治体が半分ずつ負担することになっていた。

だが今回の改定では、環境汚染の原因を招いた企業が汚染対策費用を払う「汚染者負担の原則」に基づき、原発50キロ圏内の配布費用をすべて原発運営会社が負担する。

原発50キロ圏外の住民に対しては、これまで通り、各自治体が安定ヨウ素剤を備蓄し、緊急事態に住民に配布する。

今回の配布基準の改定に対し、原発運営会社連盟「スイスニュークリア(swissnuclear)」はドイツ語圏日刊紙NZZ上で「この改定で安全性が高まるということはなく、改定は政治的な判断で行われたもの」と批判。これまでの基準で十分だとの考えを示した。

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