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見習い職を探す青少年

見習い職を探す青少年

(swissinfo.ch)

職業教育を受けていない青少年は貧窮し、生活保護を受ける確立が高くなる。スペランツァ財団は、今年8月から職業教育を受けていない16歳から25歳の青少年が職を得られるよう援助している。

60人がスぺランツァ財団 ( Stiftung Speranza ) の教育課程を受講している。学校を卒業したが見習い職を見つけられない、または社会給付金を打ち切られた青少年や、職業教育を受けていない成人などだ。

教育課程の目的

 職業教育を受けていない青少年を援助するために、地方自治体や、州、社会福祉事務所が財団の教育課程の参加申し込み手続きを行う。

 教育課程の目的は、すべての青少年が条件に見合った職業を得るための解決の糸口をつかむことで、それは多くの場合来年の夏までに職業教育を受けられるよう職場を見つけることだ。

 青少年は治療教育や心理学の専門家から指導を受ける。その教育概念は自己責任を持つということが中心になる。
「わたしたちは青少年たちに自分の行動に責任を持つように指導しています」
 とルツェルンを拠点とするスペランツァ財団の教育施設責任者のマリンコ・ユーレンディッチ氏は語る。

 彼らは週のうち2日間は計算やドイツ語で不得手な部分を練習したり、履歴書を書く練習をしたり、面接のアドバイスを受けたり、文化やスポーツに関する企画を練ったりする。そのほかの日は、企業で見習いとして実習に励む。

度重なる問題

 青少年がそもそも見習い職を得るために教育課程を受けるようになるには、さまざまな理由がある。
「大抵は複数の問題があります。それは家庭問題であったり、中毒問題であったり、暴力問題であったりします。同様に、スイスに移住してきた人たちの家庭背景にも問題があったりします。また、単に運が悪く、雇用の機会に恵まれなかったという場合もあります」
 とユーレンディッチ氏は語る。

 教育課程受講者には、最終的に実務中等学校に通ったという人が多いが、なかにはそういった学校を卒業できていない人たちもいる。
「学校教育を離れてからの期間も職探しに影響します。16歳と17歳の青少年は義務教育課程を終えてすぐこちらに来るので、学校で学ぶことに抵抗がなく、見習い職を見つける見込みは高いのです」
 とユーレンディッチ氏は語る。彼らと比較して18歳以上の青少年には、より多くの問題点があり、仕事の世界に溶け込むのは困難なようだ。

職業訓練を中断した結果

 イードリッツ・ネツィリさんは現在、財団の教育課程を受講している。
「僕は実務中等学校を卒業し、その後流通業の販売員として見習い職に就きました。ですが8カ月後に辞めてしまいました。僕が想像していた仕事とは違っていたからです」
 と23歳のネツィリさんは語る。彼はもっと顧客と接することができると思っていたのに、現実はそうではなかったと当時をふり返り、またこう語る。
「見習い職を辞めた後は、短期でいくつかのアシスタントの仕事や倉庫管理の仕事をしました。短期で仕事をした方が、見習いとして仕事をするよりも収入が高かったので、職業教育のために見習い職を探す努力はしませんでした」
 
 彼は無職になったときに、地域の職業仲介所に失業登録をした。そのとき、職業仲介所は、彼が後に見習いとして職業教育が受けられるよう、彼に教育課程を斡旋した。

 「後になって、見習い職を途中で辞めてしまったのは間違いだったと気づきました。初志を貫徹するべきでした。今、僕は屈辱を受けています」
 とネツィリさんは語る。職業仲介所へ行くことは彼にとって辛い経験だったようだ。

 現在、彼は商業分野で見習い職を探している。これまで彼は25通の履歴書を送ったが、受け取るのはいつも不採用通知ばかりだ。
「ある企業は、20歳以上の見習いを採用しないと明記してきました。でも、大抵の不採用通知には理由が書かれていません。もし、商業分野で見習い職を得られなかったら、資格を得るために商業学校に通いたいです」
 とネツィリさんは希望を語る。

子育てと見習い職探し

 アリアンヌ・ゴメスさんも同様に困難な状況に直面している。学校を卒業してすぐに18歳で母親になったのだ。
 「私は1年前、妊娠5カ月のときに実務学校を卒業しました。当初はまだ見習い職を探していましたが、子供ができたと分かって、状況は厳しくなったのです」
 と明朗快活なゴメスさんは語る。
  
 時がたち、彼女は立派な母親になり、秋から財団の教育課程に通っている。地方自治体は、彼女が通学する間、子供を預けられる託児所を探し、財団は、彼女の状況に合わせて構成されたカリキュラムを用意している。

 「わたしは適職を見極めるための短期の見習い職か、企業で実践的な教育を受ける職か、または職業教育が受けられる見習い職を探しています」 
 とゴメスさんは語る。彼女は看護アシスタント、美容師、または小売業社のアシスタントの職業に興味を持っている。

 「本来はホテル業やサービス業に興味があったのですが諦めました。ホテル業は就業時間が不規則で小さな子供がいると難しいからです。職探しに、子育てに、通学。すべてをまとめてこなすことはとても難しく、時々、母親業と見習い職を両立するのは無理なのではないかと疑問を持ちます」
 とゴメスさんは語る。

 「わたしは自分の道を子供と共に歩みたい」と語るゴメスさんの大きな夢は、自活できるようになることだ。

サンドラ・グリツェリ 、swissinfo.ch
( 独語からの翻訳、白崎泰子 )

青少年の失業率 ( 15~24歳 )

2008年10月3.1% ( 1万6998人 )
2009年10月5.3% ( 2万9183人 )
今年10月の失業者は昨年10月と比較して1万2185人 ( 71.1% ) 増加したが、今年9月と比較して816人 ( 2.7% ) 減少し、2万9183人となった。
ヨーロッパ諸国の青少年失業率は、スペイン35%、フィンランド28%、フランス23%、ドイツ12%。
特に青少年や資格がほとんどない成人は、生活保護を受ける確率が高くなる。26歳以下の生活保護受給者10人のうち7人 ( 72.7% ) の教育レベルは低い。

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就労世帯における貧窮

2010年の欧州連合 ( EU ) のテーマは、貧窮緩和と社会的排除対策。
スイス連邦議会は政府に具体的な貧窮緩和対策を行うよう提案している。
スイス社会保障会議 ( SKOS ) は月収が2200フラン ( 約20万円 ) の独身生活者を貧窮と定義している。
スイスにおける貧窮層 ( 20~59歳 ) の割合は38万人 ( 9% ) 。就労者にもかかわらず、貧窮層に属している人々の割合は14万6000人 ( 4.5% ) 。( 2008年 )

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スペランツァ財団 ( Stiftung Speranza )

スペランツァ財団は、スイス全国の青少年が個々の状況に見合う教育課程を受講し、後に見習い職を得られるよう援助している。
2006年よりスペランツァ財団は8000件以上の見習い職を紹介してきた。
16~17歳の青少年が見習い職の契約を結ぶ確立は80%以上に上る。18歳以上は50~60%。
財団の教育課程後も見習い職を得られない青少年は通常、健康上の問題があるが、その際には財団関連の施設の協力によって適切な職が割り当てられる。
財団は、連邦議会議員オットー・インアイヒェン氏により創設され、地方自治体、州、国の寄付金で運営されている。また、社会福祉事務所や義務教育機関、連邦経済省職業教育・技術局 ( BBT ) が協力している。

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