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都市ランキング調査の信頼性

高層ビルは建っていないが、チューリヒは世界でも上位にランクされる経済センター Keystone

グローバル化した世界で、都市のランキングはちょっとした産業になっている。こうしたランキングは、チューリヒやジュネーブなどのスイスの都市にとって、その経済を活発にする重要な要素だ。数多くの調査結果はその信頼性において疑問があるものの、企業が立地を選ぶ上での判断の助けになっているからだ。

このコンテンツは 2009/07/09 15:26

「チューリヒ―スイスの経済メトロポリス」とうたうパンフレットがチューリヒの金融界から発行された。このパンフレットには、少なくとも6件の調査結果で、チューリヒが1位か2位にランキングされているとある。

税制とライフクオリティー

インフラ、生活の質、購買力、こういった面でチューリヒの地位はほとんど揺るがないとパンフレットには書いてある。チューリヒの良さを確信している企業の格好の例は、2004年にアメリカ国外で最大のエンジニアリング・ハブを作った「グーグル ( Google ) 」だ。

「40カ国以上から集まったエンジニアが働いている。チューリヒが従業員にとって魅力がある土地であることを証明するものだ。世界でも最高の都市の1つにわれわれが拠点を置いていることを人々を紹介することで、グーグルの知名度も、そのテコの原理で上げられる」
とグーグルの人事部長、ランディ・ナフリック氏は以前、グーグルのチューリヒにあるスイス法人を公開した際、スイスインフォに語った。

地方税制度の内容は、企業進出先をリストアップする際の最大の注目点の1つだが、チューリヒ州の経済発展課の課長ベノ・ザイラー氏によると、生活の質、最高経営責任者( CEO )の家族にとっても「良い環境」にあることなどソフト面での要素が判断の基準になるという。この観点からのランキングは、今年はウィーンにその座を奪われ2位となったものの、チューリヒは過去7年間、連続して1位の座に輝いた。

人的コストは高くつく

国際企業の従業員のスイスへの引っ越しを手伝う「ネットワーク・リロケーション ( Network Relocation ) 」のロバート・バルドヴィン氏は、引っ越しを迷う従業員にとって、チューリヒだろうがジュネーブだろうが、はたまたベルンであろが、ライフクオリティーが決め手になると証言する。条件が悪ければ高技術取得者の多くが移動をしたがらないので、有名な機関が付けたランキング調査は企業にとって移動先をアピールする手助けとなる。

バルドヴィン氏によれば、企業の進出先の決定には、異動で不満を持つような従業員が出た場合、代わりの人を補充するコストが出ない限りにおいて、税制度の利点が決定的となるという。人的コストの方が、税制による節約より大きな負担になるからだ。

しかも、ソフト面がますます求められる傾向にあるという。ジュネーブの「マーシー ( Mercer ) 」のヴィヴィアン・マックロー氏によると、1600社がコンサルタントの調査資料を入手するために支払う会員費をいとわず、さらに1800社がいろいろな資料を求めに来るという。

マーシーは240の都市のランキングを行っているが、リストは長くなる一方だ。それは、2014年に冬季オリンピックが開催されるロシアのソチ市や北朝鮮の平壌などの需要が高いからだという。

経験を集めたサイト

このように需要が高いランキング資料だが、連邦工科大学ローザンヌ校のメディア・デザイン研究所のジェフ・フアング氏は、こうしたランキング調査の信用性に疑いを持っている。
「どうやって信頼するのか。現地にいない専門家がベストな都市を選び、ベストの意味を決めている調査も中にはある」
と指摘する。このためフアング氏はサイト「cityrank.ch」を立ち上げた。これは、企業が個々の経験から、ランキングを編集するオンラインのサービスだ。

「ランキングを見る人は、ランキングがどのようにして作られているかということや、それを作った専門家がどれほど信頼できるのだろうかといったことは、見ない」
とフアング氏。

フアング氏は1,2年すれば各企業がそれぞれの経験を送ってくれ、ランキングができのるに十分な資料が集まると確信する。
「基本的には、多くの人たちの知恵を呼び起すことになる。例えば、マーシーなら専門家集団を抱えているが、わたしたちのところでは、誰でも専門家になれるということだ」

一方、前出のチューリヒ州の経済発展課の課長ザイラー氏は、フアング氏の専門家に対する指摘をある点では認めるという。
「調査は信用に足りるものだ。マーシーの調査でチューリヒは今年、2位だった。モノクロ ( Monocle ) のランキングでは1位、エコノミスト ( The Economist ) 誌では10位以内に入っている。それぞれ違った基準でランキングしているので、いろいろなランキングでトップに入るということであれば、チューリヒにはそれなりの価値があるということだろう」

デイル・ベヒテル、swissinfo.ch
( 英語からの翻訳、佐藤夕美 )

マーシーのランキング
Mercer Quality of Living 2009
1.ウィーン
2.チューリヒ
3.ジュネーブ

マスターカードのランキング
MasterCard Wordwild Centers of Commerce
1.ロンドン
2.ニューヨーク
3.東京
14.チューリヒ

UBS銀行のランキング
UBS Price and Earnings
1.コペンハーゲン
2.チューリヒ
3.ベルリン
4.ジュネーブ

エコノミストのランキング
The Economist Cost of Living (most expensive)
1.東京
2.大阪/神戸
3.パリ
6.チューリヒ

KPMGのランキング
KPMG Corporate Taxt Rates
1.ダブリン
2.チューリヒ
3.ウィーン

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