スイス最大の銀行UBSは20日、脱税事件でフランスの裁判所が下した罰金判決に対し、上告すると発表した。
このコンテンツが公開されたのは、
パリ高裁(控訴院)は13日、フランス在住の顧客の脱税をほう助したとしてUBSに出された地裁の有罪判決を支持。ただ罰金を下級審の45億ユーロから18億ユーロ(約2220億円)に減額した。
UBSは公判で、有罪の根拠となる証拠が不十分だと主張していた。
UBSは20日の声明外部リンクで仏最高裁(破棄院)への上告を発表。「これにより、UBSは高裁判決を十分に査定し、利害関係者の最善の利益に向けた次のステップを決めることができる」と述べた。
UBSはスイスの口座に資金を隠すようフランスの顧客を誘導し、脱税をほう助したとして、2019年2月に有罪判決を受けた。公判では、UBSは2004~12年にかけ、富裕層向けのイベントで顧客に話を持ち掛けたとされていた。
同銀行とフランス当局との起訴猶予交渉が決裂し、公判の結果、仏地裁は有罪と判断。UBSに対し、37億ユーロの罰金と8億ユーロの民事損害賠償の支払いを命じた。
この第一審判決を受け、UBSは「有罪判決は確固とした証拠の裏付けを欠き、法廷証言さえ経ていない元従業員の根拠なき主張に基づいている」と主張。控訴していた。
続きを読む
おすすめの記事
UBSに脱税ほう助で再度有罪判決 罰金の減額には疑問の声も
このコンテンツが公開されたのは、
パリ高等裁判所は13日、スイスの銀行UBSがフランスの顧客の脱税をほう助したとする一審有罪判決を支持した。だが、罰金は当初の45億ユーロから18億ユーロ(約2220億円)に引き下げた。
もっと読む UBSに脱税ほう助で再度有罪判決 罰金の減額には疑問の声も
おすすめの記事
外国での不正を容認?スイス企業に新たな税優遇
このコンテンツが公開されたのは、
スイス連邦政府は、企業が外国で科された巨額の罰金を税額控除の対象とする新たな法律の施行を発表した。一方で、不正行為の呼び水になるという批判も出ている。
もっと読む 外国での不正を容認?スイス企業に新たな税優遇
おすすめの記事
UBS、560億円を引き当て 仏当局の罰金に備え
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行最大手UBSは、脱税・マネーロンダリング(資金洗浄)疑惑でフランス当局に課された35億ユーロ(約4200億円)の罰金を捻出するため、5億1600万ドル(約562億円)の引当金を新たに積んだ。
もっと読む UBS、560億円を引き当て 仏当局の罰金に備え
おすすめの記事
UBS、資金洗浄疑惑で2.6億円罰金
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの銀行UBSは、従業員によるマネーロンダリング(資金洗浄)に対するイタリア当局の捜査を終わらせるため、215万5千ユーロ(約2億6千万円)の罰金を支払うことに同意した。
もっと読む UBS、資金洗浄疑惑で2.6億円罰金
おすすめの記事
仏司法当局、UBSに約4千億円の罰金命令
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大銀行UBSが脱税と資金洗浄をほう助した疑惑をめぐり、フランスの裁判所は20日、同行に有罪判決を出し、37億ユーロ(約4千億円)の罰金を命じた。
もっと読む 仏司法当局、UBSに約4千億円の罰金命令
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。