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UBS、仏裁判所の罰金判決で上告

UBS
Keystone / Sebastian Gollnow

スイス最大の銀行UBSは20日、脱税事件でフランスの裁判所が下した罰金判決に対し、上告すると発表した。

パリ高裁(控訴院)は13日、フランス在住の顧客の脱税をほう助したとしてUBSに出された地裁の有罪判決を支持。ただ罰金を下級審の45億ユーロから18億ユーロ(約2220億円)に減額した。

UBSは公判で、有罪の根拠となる証拠が不十分だと主張していた。

UBSは20日の声明外部リンクで仏最高裁(破棄院)への上告を発表。「これにより、UBSは高裁判決を十分に査定し、利害関係者の最善の利益に向けた次のステップを決めることができる」と述べた。

UBSはスイスの口座に資金を隠すようフランスの顧客を誘導し、脱税をほう助したとして、2019年2月に有罪判決を受けた。公判では、UBSは2004~12年にかけ、富裕層向けのイベントで顧客に話を持ち掛けたとされていた。

同銀行とフランス当局との起訴猶予交渉が決裂し、公判の結果、仏地裁は有罪と判断。UBSに対し、37億ユーロの罰金と8億ユーロの民事損害賠償の支払いを命じた。

この第一審判決を受け、UBSは「有罪判決は確固とした証拠の裏付けを欠き、法廷証言さえ経ていない元従業員の根拠なき主張に基づいている」と主張。控訴していた。

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