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ジェンダー平等 UBS、産休で長期のボーナス減額 女性行員ら反発

オフィス机の横に立つ妊娠した女性

女性に対するボーナスの方針をめぐりUBSマネジメントに対する批判が高まっている

(© Keystone/Gaetan Bally)

産休を取得した女性のボーナスを何年にもわたり減額する。そんな慣例が存在するスイスの金融最大手UBSで、女性キャリア行員たちからの批判の声が高まっている。ジェンダー平等に対する同行の姿勢も問われる問題だ。

UBSで働く行員や元行員によると、産休を理由にボーナスを減らされた女性の中には、辞めていく人もいれば、不満を抱えながら仕事を続ける人もいる。前者のケースでは少なくとも2人が、昇進のチャンスを投げ打って退職を選んだという。 

ある女性行員は、4回の出産で4回のボーナスの減額と評価ベースの変更を経験した。また、別の女性の場合、減額の根拠について説明を求めると「ワーキングマザーになるのはライフスタイル上の選択だから」と告げられた。この方針への抗議に対し、「赤ちゃんに専念しろ」と言われた人もいたという。

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「基本的に、それまでどんなにキャリアを積み上げていても、一度出産するともう男性の同僚には追いつけない」と話すのは、同行に残って働き続けているある女性だ。何件もの抗議をよそに、「このやり方は変えられず、女性は我慢するしかない。一方で(UBSは)女性が働きやすい銀行だと自画自賛している」。

スイスにあるUBSのウェルスマネジメント部門では、30%以上のボーナスカットなど産休取得に伴う待遇悪化に不服を申し立てた女性行員は10人を超える。経営サイドがこの問題への取り組みを約束してから1年以上が経つが、なお憂き目にあっている女性は何人もいる。

問題となっているUBSの慣行は、同行が定める7カ月の産休制度を利用した場合に年間のボーナスが減額されるだけでなく、職場復帰後も減額ベースのまま査定が行われるというもの。多くの場合、減額期間は3年以上に及ぶ。

UBSの本拠地スイスのウェルスマネジメント部門では、エグゼクティブ・ディレクター、ディレクター、アソシエイト・ディレクターなどの肩書きを持つ女性キャリア行員らに影響が及んだ。彼女たちは、直属上司や人事部、ダイバーシティ&インクルージョン関連部署などにあてて正式に抗議を申し入れたり、互いに経験談を持ち寄り待遇改善のロビー活動を行うために内輪のグループを結成したりしている。

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本紙が確認した文書によると、UBSのグローバル・ダイバーシティ&インクルージョン推進室キャロラン・ミナーシ室長は昨年事態を把握し、産休と賞与制度に関する正式な調査を約束。同行のグローバルリワード担当チームと話し合いを持った。

UBS広報担当者によると、ミナーシ室長はこの問題を重く見て、問題の発生を防ぐための手立てを講じた。だが関係者は、差別を受けている女性は今も存在するという。

UBS側は、「仕事内容や成績、経験が同等ならば、報酬も同等でフェアであるべきというのが我々の強い信念だ。ボーナスの査定に当たっては育児休暇の問題に積極的かつ計画的にアプローチし、格差があった場合は補っていく」と述べた。

同行のシュテファン・ザイラー人事部グローバル部長は、給与が不当だと考えられる場合、いかなる女性も改善のため自分に直接訴えてほしいと語った。広報担当者はさらに、複数の管理職による母親業についての発言は「時代錯誤でありUBSの企業文化に全くそぐわない」と付け加える。

スイスのUBSでは給与が満額支給される産休を6カ月間認めており、さらに無給で1カ月間延長できる。これは、欧州諸国で最も短いものの一つとされるスイスの法定産休期間の14週間よりも手厚い制度だ。

一方、父親になった行員には2週間の有給休暇が認められる。この場合もさらに4週間まで無給で延長することが可能。実際に育児休暇を取った経験のある男性行員2人によると、この場合ボーナスは割引かれることなく満額が支給されたという。

また、スイス人男性の一部は兵役のため約10年にわたり毎年数週間欠勤するが、UBSではこの場合もボーナスの減額は行っていない。

UBSは銀行の中でもジェンダー平等に関する意識の高さで知られる。アクセル・ウェーバーUBS会長が経営陣や管理職ポストに女性を増やすよう繰り返し呼びかけたり、経営トップに占める女性の割合を最低でも3分の1とする目標を設定したりしている。

しかし、現在のところ、13名で構成されているUBSの取締役会に女性はたった1人だけ。監査役会は女性4人、男性8人という構成になっている。

Copyright The Financial Times Limited 2019


(英語からの翻訳・フュレマン直美)

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