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スイス国勢調査 教育レベルは向上するも高齢化が顕著に

スイスの65歳以上の割合は6%から18%へと3倍に増えた Keystone

連邦統計局は10日、2010~14年に行われた国勢調査の結果を公表した。それによると、スイスでは教育レベルが向上しているが、同時に高齢化も顕著なことが分かった。

 2010~14年の国勢調査によれば、スイスの人口は1932年の410万人から2014年には820万人へと、過去80年で倍増したことが明らかになった。

 しかし人口の推移は地域ごとに異なる上、地域の経済的魅力によっても大幅に違う。スイスで人口が最も多い州はチューリヒ州(約150万人)で、ベルン州(100万人強)、ヴォー州(76万人強)がそれに続く。


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 スイスに住む女性の数は、2014年では男性の数より約10万人多かった。グラールス州、トゥールガウ州、アッペンツェル両準州などの中央および北東の州を除き、ほとんどの地域で女性の数が男性の数を上回っていた。

 外国人は人口の約4分の1を占めるが、その割合も州によって違う。外国人が最も多いのがジュネーブ州(41%)で、バーゼル・シュタット準州(35%)、ヴォー州(33%)がそれに続く。反対に外国人が少なかったのは、アッペンツェル・インナーローデン準州(11%)、ジュラ州、ニトヴァルデン準州、オプヴァルデン準州(各15%)。

 また、統計では人口の高齢化が鮮明となった。全人口における20歳以下の割合は1900年では40%だったが、今日では20%に減少。65歳以上の割合は6%から18%へと3倍に増えた。連邦統計局の報告書によると、高齢者の数は今後数十年でさらに増加する見込みだ。


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 統計からは他にも、スイスに住む人の教育レベルが過去数十年で全般的に向上していることが明らかになった。主な理由には、大学教育を受ける女性が増加していることが挙げられる。

 大学教育を終了した女性の割合は1970年には4%しかいなかったが、現在では22%。大学教育を受けた人の割合は、男女合わせると人口の3分の1を占める。1970年にはその割合は8%だけだった。


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 統計には他にも興味深い点が示されている。スイスの公用語(ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語)以外の言語を操れる人の割合は、1910年から2014年までに急増したが、公用語を母語とする人の割合は減少した。

 ドイツ語を母語とする人の割合は、1910年~41年にかけて64%から73%へと増加したが、その後は減少が続き、2014年には63%に下がった。

 フランス語を母語とする人の割合は1910年~80年にかけて21%から18%へと減少したが、それ以降は増加。2014年では人口の23%を占めている。イタリア語を母語とする人の割合は、イタリアからの移民が流入したことにより、1950年から1970年に急増した。それ以降、全人口の8%で安定している。

 ロマンシュ語を母語とする人の割合は、1910年には1%いたものの、今では0.5%しかいない。しかし、その数(約4万人)は1970年代から安定している。


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(独語からの翻訳・鹿島田芙美 編集・スイスインフォ)

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