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小型兵器の横流しでスイスに調査

大量の兵器が必要な予備とみなされている

国際的なレポートが、小型兵器や軽火器の横流しは、世界中の犯罪者や反政府活動家の銃器の主要供給源となっていると報じている。

しかし、ジュネーブの「国際問題研究大学院」が出版する年刊誌『小型兵器調査 』の最新号によると、スイスは小型兵器の輸出国の中でも透明性の高い国の1つだ。

政府の努力

 「小型兵器輸出の透明性について、スイスの成績は劇的に向上しました。その理由の1つとして、スイス政府が国際的な透明性の向上に真剣に取り組み、大きな努力をしてきたことがあげられます。スイス政府はこの課題を促進し、輸出報告システムを向上させました」
 と国際問題研究大学院 ( Graduate Institute of International Studies ) が出版する『小型兵器調査 ( Small Arms Survey) 』の編集主幹、キース・クラウス氏は述べた。

 毎年大量の小型兵器が行方不明になり、それらの多くがイラク、コロンビア、アフガニスタンなどの反政府活動家の手に渡ると同誌は報告する。また、民間人が所有する兵器のうち、多く見積もると年間65万丁が行方不明になっているという。かなりの数の兵器が横流しされているが、それらはこの数字には含まれていない。横流しされた兵器は、政府や軍隊のストックから盗まれ、ブラックマーケットで売買されている。

 「兵器の横流しは特に危険です。なぜなら、一般市民を犠牲にしようと考えている個人と集団に大量の兵器を供給しているからです」
 とクラウス氏は述べ、小型兵器が反政府武装集団や反政府活動家に違法に横流しされないよう、政府はそれらの小型兵器をもっと厳しく管理するべきだと訴える。

 「兵器の横流しのリスク、典型的なシナリオ、さらに横流しの大半を抑止する方法についてわれわれは熟知しています。横流しの防止は、政府にとって比較的少ない投資で大きな効果を上げることができる分野です」

余剰兵器

 『小型兵器調査』によると、小型兵器の横流しで利益を得ている反政府軍や反政府武装集団が存在する国は、アフガニスタン、コロンビア、イラク、スリランカ、ソマリア、リベリアなどだ。

 同誌の調査によると、問題の1つは予備の兵器と弾薬が大量に存在することだ。そうした余剰ストックは破壊が可能だが、政府は輸出を選択することが多い。また、世界中に存在する約2億丁の銃器のうち、少なくとも7600万丁は余剰分とみられる。
それらの余剰分のうち、破壊される小型兵器は、年間約43万丁に止まる。さらに世界中に2000万トンから3000万トンの弾薬があり、そのうちの3分の2が余剰分とみられる。

進歩

 しかしクラウス氏は、ほかの分野で向上がみられたと考えており、今年は透明性に関してかなりの進歩があったと述べる。
「われわれが作成した透明性の基準で、昨年には10カ国以上が25点中16点以上を獲得しました。それ以前は3カ国だけです。しかし改善の余地はまだあります。特に兵器の主要輸出国の場合は」

 『小型兵器調査』によると、きちんとした輸出業者もあるが、一旦兵器を輸出したら、それらの兵器が反政府軍や反政府武装集団へ渡っていないかフォローアップする業者は非常に少ない。

 小型兵器の輸出で透明性の高い国はアメリカ、イタリア、スイス、フランス、スロバキア、イギリスだ。一方、透明性の低い輸出国はイランと北朝鮮で、ともに最低のゼロという評価を受けた。

 アメリカ政府は、イラク、レバノン、および中東のほかの地域にアメリカ政府のリストに載っているテロリスト集団が存在するという主張のもと、それらの国にいる反政府軍や反政府武装集団へ兵器や訓練を授けたという理由で、イランを糾弾した。しかし、イランはその主張を否定している。

 同調査は、小型兵器の輸出に関連した横流しと疑われる多くの成功例と未遂例をリストに挙げている。あるブローカーは、9400丁のライフルと2400万発の銃弾をボスニアからイラクに輸出した。その際に必要なボスニアの輸出許可を入手するための手段として、2005年にスイスの輸入許可を使用し、スイスを経由した疑いがある。スイスとベルギー政府はこれを調査中だ。

トーマス・ステファンズ swissinfo、笠原浩美 ( かさはら ひろみ ) 訳

スイスの関与

スイス政府外務省によると、スイスは「不法小型兵器・軽火器を、時宜に適い且つ信頼性のある方法で、国家が確認・追跡を可能にするための国際的手段 ( International Instrument to Enable States to Identify and Trace, in a Timely and Reliable Manner, Illicit Small Arms and Light Weapons ) 」を順守している。
またスイスは「武装暴力と開発についてのジュネーブ宣言 ( The Geneva Declaration on Armed Violence and Development ) 」に加盟している。
「欧州安全保障・協力機構 ( The Organization for Security and Cooperation in Europe ) 」と「平和のためのパートナーシップ・プログラム ( The Partnership for Peace Programme ) 」に則ってスイスは余剰小型兵器および軽兵器の破壊およびそれらの安全な保管のためのプロジェクトに貢献している。
スイス政府によるイニシアチブと出資で『小型兵器調査』が2001年に刊行された。
スイスは、国連の行動計画の実施のために、各国政府および非政府組織 ( NGO ) の両方をサポートしている

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スイスの兵器と事件

2007年9月に連邦議会は、国民皆兵制度下にあるスイス人が、民間兵として使役中に使用する弾薬を自宅に持ち帰り保管する伝統を廃止した。現在弾薬は軍へ返還しなければならない。
同年9月にまた、中道左派の「社会民主党 ( SP/PS ) 」と平和団体のNGOが、家庭に保管されている推計150万丁の銃とライフルの自宅での保管を禁止するイニシアチブを発議した。
このイニシアチブには、軍の銃器は軍の兵器庫に保管し、各自治体ではなく、国による統一した銃の登録の呼びかけを含む。
2001年9月に、ライフルを持った男がツーク州 ( Zug ) の州議会で14人を射殺し、その後自殺した事件がスイス国中を震撼させた。
2006年4月に、元スイス女子スキーチャンピオンのコリンヌ・レイ・ベレ氏の夫が、レイ・ベレ氏とその弟を軍の銃器のピストルで射殺した事件が発生。この事件によって、自宅内での兵役銃器の保管についての議論が一層激化した。
全殺人事件の約3分の1が個人所有または兵役銃器によるものだ。最近の調査によると、自殺の68%に軍の銃器が使用されている。
軍の銃器は、毎年スイスで発生する300人以上の死に関与しているといわれている。

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