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シリア・米首脳ジュネーブ会談、進展なし

ジュネーブで行われたクリントン米大統領とシリアのアサド大統領の会談が終了した。会談後米国は、和平交渉を即時再開するにはシリアとイスラエルの主張の隔たりが大きすぎると発表した。

ジュネーブで行われたクリントン米大統領とシリアのアサド大統領の会談が終了した。会談後米国は、和平交渉を即時再開するにはシリアとイスラエルの主張の隔たりが大きすぎると発表した。

ホワイトハウスのジョー・ロックハート報道官は、「会談はシリア・イスラエル双方の見解を明白にすることに集中したが、重要な対立は解消できず妥協点すら見つけられなかった。交渉再開にいたっては、その時期を予想することさえ不可能だ。米国の立場としては、現時点ではたとえ交渉を再開しても生産的なものになるとは思えない。」とし、会談の結果、和平交渉再開への進展は何もなかったと語った。

さらにロックハート報道官によると、クリントン大統領は会談後バラク・イスラエル首相に会い、またデニス・ロス大統領中東特使がジュネーブ会談の要旨報告と協議のため27日イスラエルに出発するという。

シリアは交渉が再開されないのはイスラエルの責任だと、イスラエルを非難している。会談後の声明でシリアは、両首脳は「イスラエルが突き付け、いまだ交渉再開の前に立ちはだかる障害について」討議したと述べた。アサド大統領は、イスラエルが1967年の6日間戦争以来占領しているゴラン高原からの完全撤退を主張し続けており「アサド大統領は、イスラエルのゴラン高原完全撤退を条件とした和平交渉再開のシリアにとっての重要性を確認した。」と声明は付け加えた。シリアの声明は、イスラエルが要求している安全の保証、給水へのアクセス、両国の関係正常化などについては言及しなかった。

クリントン大統領とアサド大統領の首脳会談は、6年ぶりだった。アサド大統領はめったに国外へ出ず、また昨年の交渉決裂以来初の会談への出席という事で、打開への希望は高かった。また、1月以来の和平交渉の中断にも関わらず、シリアとイスラエルの合意は近いとの憶測が流れていた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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