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ジュネーブ、ドイツ当局にロイナ事件の捜査協力を依頼

ベルナルド・ベルトッサジュネーブ検察官は、1992年キリスト教民主同盟政権下での石油精製所売却にからむマネー・ロンダリングの捜査のため、ドイツ当局へ協力を公式に申請した。

ベルナルド・ベルトッサジュネーブ検察官は、1992年キリスト教民主同盟政権下での石油精製所売却にからむマネー・ロンダリングの捜査のため、ドイツ当局へ協力を公式に申請した。

ドイツの報道機関は、アウグスブルグ裁判所は先月初め要請を受けたと報道している。スイスはギュンター・クラウセ前ドイツ運輸相、フレデリッヒ・ボール前領事館職員、実業家ディーター・ホルツァー氏他官僚数名に関する情報を要求している。

ベルトッサ検事は、実名をあげるのは拒否したものの、すでにドイツ国内で何人かの承認尋問を行っていることを認めた。

ロイナ石油精製所とミノルガソリンスタンドチェーンの売却に関するスイスの照会は、2社が売却された先のフランスの石油会社、Elf-Aquitaineに関する数年の調査から生じた。ジュネーブのElfの子会社が、当時国営企業であったフランスの石油会社によって海外で支払われた賄賂の手形交換所であったと想定される。

ベルトッサ検事は、スイス国内でマネー・ロンダリング、文書偽造、詐欺行為などの犯罪が行われたとみてよい十分な証拠があると言う。Elfの新経営陣によってもたらされた苦情によって明るみに出された今回の事件に関わる金額は、100億スイスフランにのぼると想定される。

ドイツ当局はロイナ石油精製所の件に関してスイスに法的協力を申請したことはない。ベルトッサ検事は、もしドイツ当局からCDUの財政規則違反に関しての調査の依頼があっても、スイス国内で行われた犯罪ではないので、協力はむずかしい。が、マネー・ロンダリング等スイスで行われたであろう犯罪捜査の依頼なら、問題はないと付け加えた。

また、ベルトッサ検事は、隣国リヒテンシュタインについても辛らつに批判した。リヒテンシタインの司法当局は、マネー・ロンダリング捜査の他国の協力要請に応じず、合同税関を持つスイスにすら協力的でないと述べた。これは、数日後に予定されているジョセフ・ダイス外相のリヒテンシュタイン公式訪問にむけて、2国間の司法協力を向上させるべきとの発言と思われる。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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