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ネスレ 赤十字エイズ撲滅計画に寄付金300万スイスフラン

ネスレ アフリカ・エイズ撲滅計画に300万スイスフラン寄付 ネスレ アフリカ・エイズ撲滅計画に300万スイスフラン寄付

ネスレ(本社ヴェヴェー)は、アフリカの赤十字エイズ撲滅プログラムに今後3年間で総額300万スイスフランの寄付金を贈る事を決定、13日ジュネーブの国際赤十字赤新月社連盟に小切手50万スイスフランを手渡した。

ネスレ代表は13日、国際赤十字赤新月社連盟(ジュネーブ)にアフリカ赤十字赤新月社保健イニシアチブ(ARCHI)2010への寄付金300万スイスフランの一部50万スイスフラン分の小切手を手渡した。ARCHI2010は、2010年までの10年間アフリカのHIV/エイズ、マラリア、栄養障害、ポリオや麻疹などワクチンによる予防可能な疾病と取り組む保健プログラムで、53のアフリカの赤十字および赤新月社、各国保健省、国連機関により2000年9月に着手された。ネスレが13日に寄付した50万スイスフランは、主にナイジェリアでのエイズ予防計画に使用される。ナイジェリアでは推定270万人がエイズ・ウィルスに感染しているとされる。ネスレはARCHI2010に寄付金を寄せた最初の企業で、他の企業にも「企業としてエイズ撲滅にどのような貢献ができるかよく考え、財政支援に参加するよう」呼び掛けている。

寄付金を受け取った国際赤十字赤新月社連盟のDidier Chepitel事務局長は、「(人類とエイズの戦いでは)現時点ではエイズ・ウィルスが勝っている。人類がウィルスの猛威に追い付き流行を止めるためには、新しい形のパートナーシップと取り組み方が必要だ。ネスレの協力は未来への可能性を提示した。」と、ネスレ支援の難病との戦いにおける意義を評価した。現況では、赤十字赤新月社の予算の民間企業からの寄付は5%にすぎないが、今後の増加が期待される。

ネスレは、「健全な人間の価値観と道義」に基づく事業の確立を目指し、「グローバリゼーションの恩恵を全ての人に」を目指し企業に倫理的なグローバル化政策を求めるアナン国連事務総長のグローバル・コンパクト支持を表明している。が、実際には、ネスレは非政府組織(NGO)から途上国での非人道的行為を何度も批判されている。エイズに関しても、自社製品の販売促進のため授乳による母子感染の恐怖を利用して途上国の貧しいエイズ・キャリアの母親らを搾取していると訴えられている。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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