スイスの視点を10言語で

ロスリン選手に金

バルセロナ大会の金メダルはスイスの建国記念日、8月1日に獲得 Keystone

マラソンのヴィクトル・ロスリン選手 ( 35歳 ) は見事なカムバックを果たし、バルセロナで開かれていた陸上の欧州選手権で金メダルを獲得した。

ロスリン選手は肺塞栓症を2度患い、またかかとの手術も行ったことから、2008年の北京オリンピック以来、マラソン大会には一度も出場していなかった。

大会開催1週間前に出場を公表

 1位でゴールに入ったロスリン選手は
「これまでのことを思うと信じられない。カムバックしたんだ! 素晴らしい感覚だ」と手放しで喜んだ。

 2年間のブランクの後の欧州選手権では、レースが進むにつれて小さくなっていくトップグループから落ちることなく、27キロメートルを通過した時点ですでに先頭に立った。その後、後を追う選手たちとの距離は開くばかりだった。

 最終的なタイムは2時間15分31秒。2位にはスペインのホセ・マヌエル・マルティネス選手が2時間17分50秒で入った。3位はロシアのディミトリ・サフロノフ選手で、タイムは2時間18分16秒だった。

 35キロメートル地点を通過したとき、ロスリン選手は2位とすでに1分以上の差をつけていた。その後の山場でも力強い軽快な走りを見せ
「35キロメートル地点で勝てると思った。40キロメートルはもうその勝利感を楽しんでいた」
 と言う。ロスリン選手の欧州選手権金メダルはスイス史上4個目だ。

 今回の欧州選手権出場は、大会開催約1週間前に発表された。一昨年の冬、ロスリン選手は体調を崩し、ケニアでのトレーニングを中断してスイスに戻った。検査の結果、肺塞栓症と診断され、集中治療室で治療を受けた。治癒したかと思うや再び肺塞栓症にかかり、医師にも肺機能が以前のレベルに戻るかどうか断定できない状態となった。それに追い討ちをかけるように、昨年12月にはかかとの故障が悪化し、手術を余儀なくされた。

swissinfo.ch

– 2010年 バルセロナ:ビクトール・ロスリン、マラソン金
– 2006年 イエーテボリ:ビクトール・ロスリン、マラソン銀
– 2002年 ミュンヘン:アンドレ・ブヒャー、800m銀
– 1998年 ブダペスト:アンドレ・ブヒャー、800m銀 / アニータ・ヴァイヤーマン、1500m銅
– 1994年 ヘルシンキ:マティアス・ルスターホルツ、400m銅 / ダリア・ナウアー、10000m銅
– 1990年 スプリット:アニータ・プロッティ、400mハードル銀 / サンドラ・ガッサー、1500m銅
– 1986年 シュトゥットガルト:ヴェルナー・ギュンテール、砲丸投げ金
– 1969年 アテネ:フィリッペ・クレルク、200m金
– 1950年 ブリュッセル:フリッツ・シュヴァプ、10000m競歩金

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部