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国際戦犯法廷、ミロシェビッチ前ユーゴ大統領本格審理開始

国際軍事法廷の裁判官・検察団。前列左端黒衣がデルポンテ主任検察官 Keystone

国連の旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷(オランダ・ハーグ)に「人道に対する罪」などで起訴されたミロシェビッ チ前ユーゴ大統領(60)の裁判の本格審理が12日、始まった。

ユーゴ政府は昨年6月、同法廷にミロシェビッチ前大統領の身柄を引き渡した。翌7月以来の準備公判で、検察側はミロシェビッチ氏が政権を握っていた13年間、99年のコソボ紛争、クロアチア内戦(91〜92年)、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦(92〜95年)と90年代のバルカン半島紛争全てに関わった容疑で起訴、特にボスニア内戦に関しては戦争犯罪の中でも最も重い「大量虐殺(ジェノサイド)」で起訴した。

12日、検察の冒頭陳述でスイス人のカーラ・デルポンテ主任検察官は、当時のビデオなどを使いながら、ミロシェビッチ氏が「大セルビア主義の指導者」として紛争に関わった事実を述べた。デルポンテ主任検察官はこれからミロシェビッチ氏のクロアチア、ボスニア、コソボの非セルビア民族迫害を論点とする。

同法廷では当初、ミロシェビッチ氏の3つの紛争の戦犯容疑に関しそれぞれ別々の審理を開く予定だったが、先週デルポンテ主任検察官がユーゴスラビアにボスニアのセルビア人指導者だったカラジッチ氏とムラデック将軍の出廷を求めたことを受け、包括的審理を行うことを決めた。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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