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狂牛病早期発見へ手がかり

ソト博士。セロノの研究室で Keystone Archive

セロノ(ジュネーブ)の研究グループは、狂牛病の早期発見への道となる変異プリオンの複製に成功した。

脳がスポンジ(海綿)状になり運動神経障害を起し、また人格障害や痴呆を引き起こし錯乱状態を起し、最期には死んでしまう狂牛病や人間のクロイツフェルト・ヤコブ病など海綿状脳症は、脳のタンパク質粒子であるプリオンが原因だ。これまでのところ、海綿状脳症は死後の脳細胞検査によって診断するしか方法がなかった。が、セロノのクラウディオ・ソト博士の研究チームは、研究室で変異プリオンの培養し、海綿状脳症を早期発見につながる変異プリオンの複製メソッドを開発した。ソト博士は、「我々がした事は脳障害発見への第1歩だ。変異プリオンを既存の診断システムに適応するためには量産が必要だが、非常に繊細さを要するメソッドだ。」と言う。シルバーノ・フメロ・セロノ研究開発副部長によると、生体内での変異プリオン複製の研究室での模写過程は、体内では何年もかかるところを数時間に縮小する。

変異プリオンの複製技術は、クロイツフェルト・ヤコブ病やアルツハイマー、パーキンソン病など脳障害の治療薬開発に役立ち、プリオン関連の病気を血液検査で発見する道を開くことになりそうだ。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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