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ゴッタルド トンネルの心臓へ

ピオラ地層はクリア。ゴッタルドトンネルの完成に大きな一歩 Keystone

ゴッタルドトンネルは完成できないのではないかという懸念の原因となった最大の問題地点「ピオラ地層」がついに征服された。ピオラ地層とは白雲石が砂糖の粒のようになっている地層で、この部分のトンネル工事は非常に困難であると言われていた。

このコンテンツは 2008/10/19 15:26

トンネル工事の入り口があるファイド ( Faido ) から、バスで傾斜12度の急な坂道を2.7キロメートル下ると、将来のゴッタルド基本トンネルが通ることになる地下に着く。ここは、南口のボディオ ( Bodio ) から18キロメートル、北口のエルストフェルト( Erstfeld ) から38キロメートル離れた地点で、ファイドの多重機能センターがある。

中止の危機

将来は、西から走って来た列車が東トンネルに切り替えられる地点になる。今は大聖堂を思い起こさせるような広がりを持ち、壁には入坑する鉱員に祈りを込めて掛けられるあいさつの言葉「無事で!( Glück auf! )」がドイツ語で書かれている。また、鉱山の守護聖人の聖バルバラが安置されている。

工事現場を走る列車は東トンネルを通り北に向かう。4キロメートルちょっと走るとセドゥルン ( Sedrun ) 方面の北端の目的地に着く。しかし全長430メートルあるトンネル穿孔機 ( TBM ) は停止したままだ。TBM は今回、マスコミに始めて公開された。

「この部分がトンネル工事を中止に追いやるところだった。幸運にも工事は続行しているわけだが」
ガタガタと揺れながらピオラ地層に向かう列車の中で、トンネル工事を請け負うアルプトランジット・ゴッタルド( AlpTransit Gottard AG ) のハインツ・エールバー部長は説明した。エールバー氏は1990年代にあった地層専門家の間で交わされた論争を思い出す。当時、カルヴァニーヴ地層や地上で窪地になっている場所、ピオラ層にトンネルを掘るのは難しいという意見が浮上し、ゴッタルドとレッチュベルクの両トンネルを掘るのか、どちらか1本だけにするのかという論争が巻き起こった。1996年3月末、ピオラ地層を試しに掘り進んだところ、1400立方メートルの砂利と水が流れ出したため、関係者は大きな衝撃を受けた。

大きく一息

こうした事件はもはや、歴史の一幕にしか過ぎない。資金を投入して行われたボーリングにより、砂糖の粒のようになっているピオラ地層はトンネルが通る位置まで届いていないことが分かったのだ。「石膏の帽子のようなものがわれわれを救った」とエールバー氏は言う。トンネルが通る予定地は、硬い白雲石になっていて水による圧力も無い。石灰岩が砂糖粒の部分と硬い白雲石の間にあるからだ。

調査結果は工事関係者の負担を大いに和らげた。ピオラ地層の断面は150メートルもあるが、砂糖粒になっている地層を掘り進むことになっていれば、その作業は計り知れない困難を伴うはずだった。しかし、調査のおかげで、TBMで掘り進むことができると分かった。今では、1日に10メートル掘り、4分の3まで堀り進んでいる。10月中旬までには、東トンネルが貫通する予定だ。

作業は続く

一息ついたと言っても、すべての危険要素が取り払われたわけではない。例えば、TBMが圧力で動かなくなってしまうことも考えられる。そうならないように、TBMのボーリング部分から1メートル後部にステンレスの輪を取り付けるなど、さまざまな工夫をしているという。

特にセドゥルン-ファイド間は、ゴッタルド基本トンネルの中でも地下1500メートルと最も深く、気温も50度を越える。水が流れ出てくる可能性もいまだに否めない。とはいえ、これまでにトンネルの77%は掘り進み、計画通りに工事は進むと見込まれている。セドゥルン-ファイド間の貫通は2011年、実際に鉄道が走るのは2017年になる予定だ。

swissinfo、ゲハルト・ロブ ファイドにて 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳

ゴッタルドトンネルのTBM

ゴッタルドでは、4機の穿孔機 ( TBM ) がトンネルを掘っている。作業の最高速度は1日に40メートルで、その際、2700トンの土が掘り出される。平均速度は1日に15~18メートル。
TBMは全長440メートルで、10機のエンジンを搭載している。ボーリング部分は地直径9.63メートル、62個ののみで岩盤を削る。16時間ごとに機械を点検し、一部ののみを交換しなければならない。必要電量は1日63メガワット。これは4200戸の家庭の消費量に匹敵する。TBMは「ヘーレンクネヒト ( Herrenknecht )」社製で250機が世界中でトンネルを掘っている。ゴッタルドトンネルを掘るTBM にかかる負担は世界でも例が無いという。

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