スイスがシェンゲン・ダブリン協定に加盟してから今日で10年。スイス連邦統計局によると、スイス全国で犯罪件数が当時より2割減った一方、スイスの不法滞在者数は約15%増えた。
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ドイツ語圏の日刊紙NZZの日曜版が報じた外部リンク。2005年に国民投票でシェンゲン協定加盟を可決してから犯罪が増えることへの不安が高まったが、現実のものとはならなかったようだ。
2009年~17年に警察に届けられた犯罪件数は全体で2割以上減少し、不法侵入も37%減った。
NZZによると犯罪加害者の属性で「不法滞在者」に振り分けられる人には、スイスで犯罪を犯すことを目的にスイスに入国する「犯罪旅行者」も含まれる。
≫スイスで犯罪が増えた時期も…
≫スイスにビザなしで入国する条件は?
左派・社会民主党のプリスカ・サイラー・グラフ氏は「まだ改善の余地はあるが、シェンゲン協定への加盟はスイスの成功物語で、協定なしのスイスはもはやありえない」と話した。
シェンゲン協定の下、スイスは国境での身分証明を放棄する代わりに欧州全土を網羅する犯罪者データベース「SIS」にアクセスできる。「シェンゲン情報システムがなければ、スイス警察は目隠しをされているようなものだ」(サイラー・グラフ氏)
シェンゲン・ビザ
シェンゲン協定加盟国に90日間滞在できるシェンゲン・ビザ(短期訪問ビザ)は昨年1470万件発行され、うち59万件はスイスが発行した。
スイスで同ビザを申請する人の多くは中国かインドからのビジネスパーソンだ。他にタイやロシア、コソボからの申請者も多い。
連邦政府は2月に発表した調査で「シェンゲン・ビザを(スイスが)発行しなければ、こうした人々はスイス滞在のために別途ビザを申請しなければならなくなり、スイスの観光業界やビジネス、科学研究に影響を与える」との見解を示した。
難民申請者の送還
09~18年にスイスがダブリン協定に基づいて当初入国した国に送り返した難民は約2万9800人。同協定では、難民は原則として最初に入国したダブリン加盟国でしか難民認定申請を提出することができない。
反対に周辺国からスイスに送還された難民は6400人。過去数年、ドイツやフランス、オランダはスイスへの送還件数を増やしているが、統計上はさほど増えなかった。
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