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スイスの医師、抗ニコチン中毒ワクチンを開発

スイスの医師の研究チームが抗ニコチン中毒ワクチンを開発、臨床実験が成功すれば、3年から5年後には実用化される。

スイスの医師の研究チームが抗ニコチン中毒ワクチンを開発、臨床実験が成功すれば、3年から5年後には実用化される。

臨床実験に成功すれば、このワクチンはニコチン中毒の最も安くて有効な治療法になるだろう。ワクチンを開発したのは、ザンクト=ガレン州立病院悪性腫瘍科のトーマス・セルニー医師と弟でジュネーブの病院の免疫・感染科のエーリッヒ・セルニー医師、ローザンヌ大学の研究員ら。

トーマス・セルニー医師は、喫煙率増加が著しく厚生予算の多くをタバコによる健康傷害に費やしている途上国で、ワクチンは特に有効だという。「ワクチンは安価で生産費も安い。何度も繰返し服用する必要もない。1度服用すれば、10年以上有効だ。」

動物実験では、ワクチンは大変有効だった。臨床実験は、人間の服用量の決定、食後の服用がよいか、また何度服用するべきかなどを決定するために行われる。ヘビー・スモーカーと元喫煙者を対象に行われる臨床実験では、副作用の危険性についても調査される。また、ワクチンをスプレー式にする可能性も検討される。

セルニー医師は、臨床実験には約200、000スイスフランが必要だが、ワクチンを市場に出すには数百万スイスフランかかるため、薬品会社や当局の財政援助を求めているという。セルニー医師がワクチン開発を始めたのは、大勢のタバコが原因のガン患者を治療した経験からだ。「タバコが原因のガンは、世界で急増しているが、ほとんどの患者は治癒できない。何とか予防法を見つけなければならない。」とセルニー医師は語った。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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