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ゼロ・レース 地球のためにスタート



ジュネーブの国連欧州本部からスタートするスイスチームの「ゼロトレイサー ( Zerotracer ) 」。チームリーダーのヴュルザー氏は「1カ月かかるカザフスタンと中国の間のゴビ砂漠が試練の場だ」と語る

ジュネーブの国連欧州本部からスタートするスイスチームの「ゼロトレイサー ( Zerotracer ) 」。チームリーダーのヴュルザー氏は「1カ月かかるカザフスタンと中国の間のゴビ砂漠が試練の場だ」と語る

(Keystone)

8月16日午後1時半、ジュネーブの国連欧州本部から、赤、青、緑の電気自動車とバイクが80日間世界一周レースに向け元気にスタートを切った。

緑はオーストラリアの赤はスイスの電気自動車、青はとドイツのバイクだ。これは、2007年から2008年にかけてソーラーパネルのタクシーで世界一周を果たしたスイス人、ルイ・パルマー氏が企画した電気自動車レース「ゼロ・レース ( Zero Race ) 」だ。

自国で再生可能エネルギーを生産

 レースに参加した、スイス、ドイツ、オーストラリアチームは、それぞれ2人のドライバーを乗せ、報道陣が取り囲む中、ヴォー州イヴェルドン ( Yverdon ) に向かって出発した。もう一つの参加チームの韓国は技術的なトラブルで途中のローザンヌからレースに参加する。

 今後、世界一周3万キロメートルを約80日間で走破し、2011年1月に再びジュネーブに戻って来る。その間ブリュッセル、ベルリン、モスクワ、上海、ロサンゼルスなど約150都市を訪問。国連気候変動枠組み条約の第16回締約国会議 ( COP 18 ) が開催されるメキシコのカンクンも訪れる。

 参加の条件は、「平均速度が時速80キロ以上で最低250 キロメートルを走れること」といった技術的なものもあるが、「走行中に消費される電力と同量分を、自国において太陽エネルギー、風力など再生可能エネルギーで生産すること」が大切な条件だ。これをスイスチームで例えれば
 「スイスの銀行にストックされているお金を他国の銀行で引き出して使うようなものだ」
 と主催者のパルマー氏は説明する。

ゼロ・レースは第2回目の企画

 ルツェルン州で学校の教師を務めるパルマー氏は、2007年7月から2008年12月にかけソーラータクシーで世界一周を果たした人物だ。38カ国を回り、多くの人を乗客として乗せエコカーを推進してきた。ニューヨークでは潘基文 ( パン・ギムン ) 国連事務総長もお客の1人だった。
 「ソーラータクシーは、各地でのメディアの宣伝のお陰で7億7000万人もの人々にメッセージを送ることができた。大成功で多くの人が興味を示してくれたので、違う企画をもう一つやりたいと思った。これがゼロ・レースだ。この2つの企画で、電気自動車こそ、未来の地球のためのより安全でよりエコロジーな移動手段だということを示したいと思っている」
 とパルマー氏は訴える。

 今回パルマー氏は自分では運転しない。あくまで企画者として、もう1人の友人とカメラクルーを乗せた車でレースに随行し、各地でガイドを雇い、レースの安全性を保障する役を果たす。
 「特にガイドは、ロシア、中国、カザフスタンを通過する場合に重要だ。1カ月後にはロシアに着くが、その時には火事は収まっていることを望む」
 と話す。

電気自動車、バイクの推進

 今回参加した4チームのメンバーはそれぞれ、パルマー氏がソーラータクシーで世界一周を行ったときに出会った人々だ。

 「自分でデザインし製造した電気自動車で世界一周レースに参加できるなんて、これ程うれしいことはない」
 とスイスのチーム「ゼロトレイサー ( Zerotracer ) 」のリーダー、トビアス・ヴュルザー氏は興奮気味に話す。ヴィンタートゥール出身のこの32歳の技術者と仲間数人は5年の歳月をかけ、2人乗りの電気バイクを作った。

 価格が12万フラン ( 約980万円 ) のこのバイクは最高速度時速240キロを出せる。「世界で一番速い電気バイクだ」とヴュルザー氏が胸を張るこのバイクはリチウムコバルトマグネシウム複合酸化物の電池を積んでいる。

 スイスチームの競走相手は、恐らくオーストラリアの「トレブ ( Trev / Two-seater Renewable Energy Vehicule ) 」だろう。重さ350キログラムで、3輪の2人乗り電気自動車は、アデライド大学の学生が製作した。ただ最高速度時速は120キロと、スイスのものには及ばない。
 「しかし、レースで競われるのはスピードだけではなく、安全性、技術への信頼度などだ。先が長いレースになる」
 とチームリーダー、ニック・ジョーンズ氏は話す。

 実際、このレースはかなり厳しいスケジュールで、「ソーラータクシーでは1日300キロメートルを走ったが、今回は1日500キロメートルを走破しなければならない」とパルマー氏は言う。

 さらに
 「ジョーンズ氏が言うようにレースの評価も速度だけではない。走るたびにほぼ毎日、スピード、走り方、安全性、信頼性、快適さ、デザイン性、人気度などの点数を付けて行き、その総合点で評価する」
 と続ける。

 しかし、レースの究極の目的は、どのチームが優勝するかではなくメッセージを世界に伝えることだ。
 「再生可能エネルギーを推進し、政治家や技術者に電気自動車やバイクで今日これ程までのことができるのだということを証明し、彼らがこの分野に投資していくよう促すことだ」
 と強調する。

ゼロ・レース ( Zero Race ) の参加条件

電気自動車ないしは電気バイクであること。
平均速度が時速80kmないしはそれ以上で最低250 km走れること。
昼食時の休憩の4時間で電気を充電でき、1日500 km走れること。
最低2人の人間が乗れること。
レース中に消費される電気を、自国においてソーラーパネル、風など再生可能エネルギーで生産できること。

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ゼロ・レース ( Zero Race ) 参加チーム

スイスのチーム「ゼロトレイサー ( Zerotracer ) 」、カバーの付いた2人乗りの電気自動車。
オーストラリアのチーム「トレブ ( Trev / Two-seater Renewable Energy Vehicule ) 」、3輪の2人乗り電気自動車。
韓国のチーム「パウワープラザ ( PowerPlaza ) 」、4輪の電気自動車。
ドイツのチーム 「ヴェクトリックス・チーム ( Vectrix Team ) 」、2人乗りの電気バイク。

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( 英語からの翻訳・編集 里信邦子 ), swissinfo.ch


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