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デジタル未来への鍵

プロジェクトリーダーのクリスティアン・ヴェバー氏 ( 右 ) と連邦経済管轄局のジャン・ダニエル・ゲルバー局長がスイスIDを初公開 Keystone

銀行との取り引きでは数年前から日常的になっていたことが、これからは役所や民間企業とのやり取りでも可能になった。

「スイスID ( SuisseID ) 」はインターネット上での身分証明、つまり電子署名を可能にするカードだ。

普及のために連邦が補助

 5月3日、連邦経済省経済管轄局 ( SECO ) のジャン・ダニエル・ゲルバー局長はスイスIDを披露し
「今日は電子商取引の安全性にとって記念すべき日だ」
 と述べた。

 スイスIDはパスワードで保護されており、チップカードとUBSスティックの2種類がある。当面は「スイス郵便 ( Die Post/La Poste ) 」および特定の民間企業を通じて販売される。

 連邦議会は2009年、スイスIDの開発費として400万フラン ( 約3億5000万円 ) 、また普及のために補助費1700万フラン ( 約15億円 ) の投入を認めた。スイスIDは3年間有効で、価格は164フラン ( 約1万4000円 ) 。個人の利用者には連邦から65フラン ( 約5700円 ) が払い戻される。つまり、年間費用は33フラン ( 約2900円 ) だ。

懐疑の目

 しかし、消費者保護基金 ( SKS ) は、まだスイスIDの購入を勧めていない。
「高価な上、日常ではほとんど利用する機会がないからです」
 とサラ・シュタルダー代表は述べる。

 「電子署名はいずれ公共事業で扱われなければならないものですが、カードの販売には時期尚早です。役所やオンラインバンキングでもまだスイスIDを利用できないのですから」
 と期待が外れることを警告する。
 
swissinfo.ch、外電

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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