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メルツ大統領に非難の声

Keystone

スイスのハンス・ルドルフ・メルツ大統領は8月20日、リビアの首都トリポリを緊急訪問し、リビアのバグダディ・アリ・マハムーディ首相の前で、ムアンマル・カダフィ大佐の息子夫妻が2008年7月、ジュネーブで逮捕されたことについて「公共の場で公式に、不当で不必要な逮捕について」謝罪した。

このコンテンツは 2009/08/24 09:31

この際メルツ大統領は、事件以来リビアに留め置かれているスイス人ビジネスマン2人の釈放について言及のないスイスに不利な合意書に、ほかの閣僚との話し合いもないまま署名していたことが判明した。

人質は帰ってくるのか

メルツ大統領の判断に対し、連邦議員ばかりか、ドリス・ロイタルト経済相をはじめエヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ法相など閣僚の中からも、非難の声が高まっている。「立派な仕事をした」と評価したのは、唯一、ウーリ・マウラー国防相だ。

ヴィトマー・シュウルンプフ法相は8月23日付け日曜新聞「ゾンターク ( Sonntag ) 」のインタビューに応じ、予定されているロンドンの仲裁裁判所によるガダフィ大佐の息子夫妻の逮捕の調査に対し疑問を投げかける発言をし、今週26日にある定例閣議の場でこれについて討議することになると語った。また、ロイタルト経済相はドイツ語圏のラジオ放送で「閣僚内で今後の方針を必ず話し合うことになる」と内閣での討議の必要性を語り、外務省との連携の必要性を指摘した。

一方、長年リビアとの関係修復に尽力してきたミシュリン・カルミ・レ外務相は「2人のスイス人人質がリビアを出国できることが大切」と語るにとどまっている。今回リビア政府とメルツ大統領が署名した合意書は、スイス外務省が制作していたものと内容が異なっているという報道もある。

メルツ大統領のトリポリでの謝罪については、連邦制のスイスにおける州の権限の侵害がなかったのかという疑問のほか、2人のスイス人がいまだリビアに留め置かれていることから、メルツ大統領は政治的に孤立したと見る向きもある。

swissinfo.ch、外電

事件の経緯

2008年7月15日 リビアの最高指導者ムアンマル・ガダフィ大佐の息子ハニバル・ガダフィ氏と妊娠中の夫人がジュネーブで逮捕される。容疑は使用人に対する障害、恐喝など。
7月17日 逮捕後2日で夫婦は釈放される。
7月19日 リビア政府、2人のスイス人を逮捕。容疑は入国・滞在規範違反。
7月22日 ミシュリン・カルミ・レ外相、電話でリビア政府に抗議。
7月23日 リビア政府、スイスへの石油輸出を停止すると脅す。
7月25日 スイス外務省が2国間の関係の「たいへんな非常事態」と発表。
7月26日 リビア政府がスイス政府に対し、謝罪と今回の事件についての事情説明を要求。
7月28日 スイス、リビア両政府の直接交渉が行われる。
7月29日 保釈金が支払われ、2人のスイス人は解放される。しかし帰国は許可されなかった。
8月13日、使用人2人の弁護士、告訴を取り下げないと発表。
9月2日、被害者の使用人2人が告訴を取り下げる。
9月3日、ジュネーブ州の検事総長ダニエル・ザペリ氏が事件に終止符を打つ。
2009年8月20日 ハンス・ルドルフ・メルツ大統領 トリポリで謝罪

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