孤立深めるタリバン、国連職員を脅迫
国連職員が明らかにしたところによると、タリバンはアフガニスタン国内の国連事務所を接収し、現地に残って活動中の国連職員に対し事務所の通信手段を用いたら処刑すると脅迫している。タリバンは、首都カブールとタリバンの本拠地カンダハルの国連事務所を襲い、衛星電話、コンピューターなどを封印した。
ステファニー・バンカー国連報道官の確認情報によると、タリバンはカンダハルの国連事務所を接収し、カブールの国連通信設備を封鎖した。国連児童基金(UNICEF=ユニセフ)のゴードン・ワイス・スポークスマンの24日パキスタン・イスラマバードからの報告によると、「タリバンは我々のスタッフを衛星電話、コンピューターなどの通信設備を使用したら極刑に処すと脅迫した。」という。11日の米同時多発テロ後、国連はアフガニスタンから外国人職員を退去させたが、地元アフガンの職員は国内に残り救援活動や地雷除去作業などを続けている。また、世界食糧計画(WFP)のカーレド・マンソール・スポークスマンは、タリバンはカンダハルのWFP事務所を閉鎖し食糧1、400トンを押収した事を報告、「タリバンを阻止できなければ食糧配給はできなくなる。」と訴えた。
タリバン政権を承認し外交関係を維持してきたパキスタンが米国の報復攻撃に備え先週末駐アフガニスタン大使館員を全員パキスタンに戻し、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどが断交を宣言し、タリバンは孤立を深めている。そんな中、カタールのアルジャジール・テレビは24日、「ブッシュ率いる新ユダヤ十字軍の侵略との戦い」に全イスラム教徒の共闘を呼び掛けるオサマ・ビンラディン氏の署名入りファックスを受信したと報道した。また、タリバンの最高指導者オマル師は、「テロを無くしたければ米国が湾岸地方から出て行き、パレスチナ問題での差別的な行動をやめろ。」との声明を出した。さらにオマル師は、米国はイスラム教徒を絶滅させ、アフガニスタンに親米政権を樹立するためを無法・無秩序を広めようとしているが、それでは何の問題を解決しないと述べた。
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