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ロシアIMF貸付金横領の資金洗浄、ティチーノの銀行が鍵か

IMFのロシアへの貸付金横領疑惑を調査中のジュネーブ裁判所は、ティチーノ州の銀行に調査の的を絞っている。

IMFのロシアへの貸付金横領疑惑を調査中のジュネーブ裁判所は、ティチーノ州の銀行に調査の的を絞っている。

ティチーノ・プレスの報道によると、Laurent Kasper-Ansermet裁判官は、警察に複数のティチーノ州の主要銀行の書類を押収するよう命じた。

swissinfoの取材に対し、Kasper-Ansermet裁判官は詳細を述べることは拒否したが、ティチーノ州のいくつかの銀行の調査を行った事を確認した。そして、調査結果が出てから、詳細の発表を行うと述べた。

米連邦検察局は、IMFの貸付金を含む約70億ドル(115億スイスフラン)のロシアン・マネーが、ニューヨーク銀行を通過した後、洗浄されたと言う。

ティチーノ州のLa Regione紙によると、Kasper-Ansermet裁判官は、48億スイスフランにのぼる資金の4回の振り替えに焦点をしぼっている。資金はニューヨーク銀行から、ロシア中央銀行の子会社であるフランクフルトのOst-West Handelsbankへ、1998年8月14日に送金された。そこから、直ちに明らかにされていないティチーノの銀行に転送され、同じ日にシドニー、ロンドン、ニューヨーク銀行、クレディ・スイス銀行のある支店(未特定)の4つの口座に送金された。

Kasper-Ansermet裁判官は、ティチーノの銀行に疑惑のある口座の凍結を要請したという報道に関しては、回答を拒否した。が、ニューヨーク銀行を通して送金された資金の調査における米国当局の協力不足を非難している。元ニューヨーク銀行行員のルーシー・エドワーズは、米連邦調査官に対し、ロシアン・マフィアのマネー・ロンダリングに協力したことを認めている。が、米国がこのような情報を持っているにも関わらず、1月に提出したKasper-Ansermet裁判官の司法協力要請は、米当局に無視され続けているという。

同様な司法協力要請は、ロシアに対しても5月に出したが、こちらも応答なしだ。同裁判官は、ロシア検察当局に対し、ロシア中央銀行の幹部の事情聴取を要請している。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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