今年は冷夏?

元気な行進曲とともにベークの周りで馬を駆るギルドの組合員たち Keystone

「ゼクセロイテン ( Sechseläuten ) 」は春を迎えるお祭りだ。「6時の鐘」と名づけられたこの祭りの発祥は、職人たちが昼の間だけ仕事をしていた中世までさかのぼる。

このコンテンツは 2008/04/15 09:53

織工ギルド ( 組合 ) のルネ・カルト組合長によると、その昔、日が短い冬の間、仕事は5時までしかできなかったという。

ねばる冬将軍

「そして、日が長くなる春分の日の前後、町の教会は、これまでより1時間長く仕事をするように6時に鐘を鳴らすようにしていました。そして、ギルドは盛大な祭りでこの特別な日を祝うようになったのです」

今年のゼクセロイテンはあいにくの雨模様だった。祭りの日、26を数えるチューリヒ市のギルドはそれぞれ著名人ゲストを招いて昼食を取る。その後、3時から市内をパレード。中世の衣装に身を包んだ人々と春らしく花で美しく飾られた馬車が、湖沿いのゼクセロイテン広場を目指して延々と続く。沿道の観客から花束を受け取る人も少なくない。

ゲストの中には、サムエル・シュミット国防相のほか、クリストフ・ブロッハー前司法相や熱気球で世界1周を果たしたベルトラン・ピカール氏の顔も見える。エヴェリン・ヴィトマー・シュルンプフ現司法相もあるギルドから招待されていたが、脅迫状が司法相や招待側に舞い込んだため、この招待を辞退した。個人だけではなく、州も毎年ゲストとして迎えられる。今年はソロトゥルン州が地元の郷土料理や音楽、民芸品を披露した。

「ゼクセロイテン」のハイライトは、「ベーク ( Böögg ) 」と呼ばれる、冬を象徴した人形の頭が吹き飛ぶ瞬間だ。高さ3.4メートル、重さ80キログラムの雪だるまのようなこの人形は綿で作られており、内部に爆竹がいくつも埋め込まれている。

「ベークが12分前後で早く燃え尽きると暑い良い夏がきて、逆に頭がなかなか吹き飛ばないと雨の多い夏になるのです」
とカルト氏。

今年は時に土砂降りとなる天気のせいもあってか、ベークの頭に埋め込まれているひときわ大きな爆竹が破裂するまでに26分かかった。ゼクセロイテンの予報によると、今年の夏は雨の多い冷夏になるというわけだ。

つい最近、スイス気象台 ( メテオ・スイス ) はゼクセロイテンの予報と夏の天気の関係について過去50年間のデータを調べた。それによると、「ゼクセロイテンの予報は的中率がほぼゼロに等しい」ということだ。だが、2003年の猛暑のときは、人形が燃え尽きるまで6分もかからなかった。

ベークは2006年、左派の活動家グループに1度「誘拐」された。それ以来、この人形は当日まで秘密の場所に保管されている。

新しい伝統はもう1つある。数年前、ベークの土台となっているわらの残り火で若者がバーベキューを始めた。今では、ゼクセロイテン広場は夜遅くまでにぎやかだ。一方、ギルドの会員も冬将軍を追い出した後それぞれの会館に戻り、夕食が終わった後も仲間内で長い夜を過ごす。

swissinfo

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