Navigation

医師への賄賂

常夏のリゾート地への招待旅行は、もう期待できない。 Keystone

医薬品会社はこれまで、医師に自社の薬を使ってもらうためプレゼント合戦をしていた。本年から発効する業界内の協定で、それも終止符が打たれることになりそうである。

このコンテンツは 2004/01/23 11:36

プレゼントの代表は招待旅行。自社の薬を使ってくれるなら、高額の袖の下は当然という医薬品業界だった。

激しい競争の中、自社の製品を医者に買ってもらうため医薬品会社はこれまで、招待旅行や高級レストランでの接待、常夏の島でのシンポジウムの開催、最高級時計のプレゼントなどが横行していた。このほど新しく医薬品業界で定めた協定によると、会社が企画したシンポジウムや学会に参加する人は、経費の一部を払うこと。学会に出席する医師の付き添いにかかる費用は個人負担とする。医学や薬学などに関係のない旅行の経費については会社は負担できない、といった新しい規制が敷かれる。

処罰ではなく理解を求める

スイス化学工業協会(SSIC)のディーター・グラウアー副会長は、「規制に違反した人を処罰するというより、賄賂は不正行為であるということを知ってもらうためのもの」で、新規制は、「医薬品業界は賄賂が横行しているというイメージを払拭するため」と語った。

すでに、協定に加盟した企業は、大手ロシュ、ノバルティスを筆頭に全体の7割に達し、スイス国内で営業をする外国企業のいくつかも同意している。

医師の責任

スイス医師協会も新協定を歓迎している。「医師協会は賄賂を常に拒否してきた」と語るのは同協会の広報担当者のレト・シュタイナー氏。「医師と医薬品業界が親密に協力することは、歓迎する。医師の研究のためには業界の金銭面での援助は必要だ。しかし、医者が買収され、薬の販売プロモーションに荷担することは完全に間違っている」と言う。
スイス医学アカデミーのヴエルナー・シュタウファッハー理事も「賄賂問題では医師に大きな責任がある」と考えており、医師の認識調査も行い、道徳的に問題になるような場合はアカデミーが介入しているという。

罰則は重く

企業と医師の賄賂のやり取りは実は、2年前から連邦法で禁止されている。最高10万フランの罰金で実刑判決もありうる。連邦は、医療関連機関を総括する「スイスメディック」に賄賂の管理を依頼している。これまで多数の通報を受けたが、当事者に警告するに留まり、裁判になった事件はない。
今回の医薬品業界の協定で、賄賂が少なくなり、結果として医薬品価格が下がれば、消費者も恩恵を受けよう。

スイス国際放送 佐藤夕美 (さとうゆうみ)

補足情報

1969年に発効した法律には、企業と医師の賄賂は違法と定められている。
罰金は10万フラン(8千5百万円)
重罪では実刑もありうる。
賄賂はこれまで容認されてきた。
今回は、業界が自ら規制を定め賄賂横行の悪名を払拭しようとしている。

End of insertion

このストーリーで紹介した記事

この記事は、旧サイトから新サイトに自動的に転送されました。表示にエラーが生じた場合は、community-feedback@swissinfo.chに連絡してください。何卒ご理解とご協力のほどよろしくお願いします

共有する

この記事にコメントする

SWIアカウントをお持ちの方は、当社のウェブサイトにコメントを投稿することができます。

ログインするか、ここで登録してください。