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手作りビール ますます盛況

初心者には、麦汁の冷却も浴槽で十分

スイスでは手作りビールを生産する小型の製造業者が増え、消費者はますますオリジナルな味を求める傾向にある。

背景には、ビール製造は比較的簡単で、さまざまな味を生み出しやすいということがある。

簡単な製造法

 手作りにしろ、工場生産にしろビール製造はかなり簡単だ。発芽させた麦である麦芽 ( モルト ) を砕いて湯につけ、デンプンを糖に分解させる ( 糖化) 。次いで、これをろ過してできた麦汁 ( 1番搾り) と、カスを大量の湯で洗い落した麦汁 ( 2番搾り) を混ぜる。

 混ぜた麦汁を煮立てて、殺菌する。この段階でホップを加える。ホップはビールに苦みや香りを与えると同時に、殺菌も行う。次にこれを冷却してろ過し、酵母を加え発酵を促す。最後に少量の酵母を加えて1カ月近く貯蔵し、ビンや樽に詰めて出来上がる。

 以上のようにビール製造は簡単な上、それほど道具を必要としない。そのため、アパートでも十分に行える。煮沸は台所で、冷却は浴槽で間に合う。

 また、100フラン ( 約8900円 ) も支払えば「ビール製造キット」がインターネットで購入できる。キットには、バケツや洗浄剤もついている。また中には、麦汁のカン詰めがついているものもある。
「初心者には、麦汁のカン詰めも悪くはない。インスタントスープのようなもので、良いビールは期待できないが、経験としては大切で自分で一からやってみたくなるかもしれない」
 と、手作りビール「天国ビール ( Brasserie des Cieux ) 」のドミニック・ジャベ氏は言う。

専門的製造を行うには

 もう少し専門的な製造を求める人には、経験が大切で、特に大麦の品質の選択と量の判断がカギになる。一方、伝統的な大麦だけでの製造に加え、ビールに特別な味を添えるため、木の実やサクランボなどを加えることもできる。何を加えるかに制限はない。

 しかし、手作りビールで生計を立てようとまで決心するなら、こうした技術的な改良だけでは足りない。インフラにもかなりの投資をし、冷却機や大型の醸造タンクを購入する必要があり、もちろんアパートを後にして適切な広さの場所を借りなければならない。

 また、アルコール製造を管理する州の関係当局への登録も必要になり、
「州の化学サービス課は、ビール製造が衛生面で基準に達しているか、また食品法に合致しているかをチェックする。難しいプロセスではないが、登録は必ず行わなければならない。もし化学サービス課がクレームをつけるとビール製造の評判はすぐに落ちる」
 とジャベ氏は説明する。

需要は十分

 本物の手作りビール製造者になったら、今度は市場も重要な関心事になってくる。
しかし幸いなことに、需要は十分という以上で、消費者の要求に応えるために、コンスタントな生産を維持しなくてはならないほどだ。

 ローザンヌのビストロ「金の冠 ( La Couronne d’or ) 」の経営者、ジュリアン・マヌレ氏は、
 「給仕人によると、ビール消費で重要なのは二つの点。新しい味と地元のビールかどうかという点にお客は関心を持つ」
 と話す。

 「地元のビールを求めるということは、背景にエコロジーへの関心が感じられ、工場の大量生産にうんざりし、地元に根差した生産を歓迎するということだろう。また、新しい味への関心は、手作りビールならではの個性ある味を求めているからだ」
 と分析する。

 ただ、スイス全体から見るとドイツ語圏とフランス語圏では多少の違いがあり、
「ドイツ語圏のビール製造者は危険を冒さず、現在の生産を堅実に続けていくという傾向だ。従って伝統的な白ビールや小麦色のビールを生産しているが、フランス語圏では多くの生産者が新しい味を求めようと実験をする傾向がある。ただ、幸いにも、こうした新しい味にも需要は十分にある」
 と話す。
 
オリビエ・パウシャー、swissinfo.ch
( 仏語からの翻訳、里信邦子 )

スイスのアルコール消費

スイス人は2008年、アルコール100%として計算した場合、1人あたり8.7リットル消費した。

ビールはスイス人が最も好むアルコール。2008年の消費量は2007年より1人あたり0.6リットル増加し、年間58リットル消費した。

それに対し、ワインの消費量は2007年より1人あたり0.7リットル減少し、38.6リットルの消費となった。

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