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私立探偵リッフェル 

秘密保持が一番大切。探偵リッフェルはスイスを代表するベテランの私立探偵。 swissinfo.ch

経済犯罪の調査、財産の監査、誘拐事件の解決にも活躍。スイス人の私立探偵フィリップ・J・リッフェル氏は世界探偵協会の理事を務める。

機密保持は絶対条件。違法になるぎりぎりのことをするのも日常茶飯事の探偵業。リッフェル探偵の日常を垣間見る。

リッフェル探偵も少年時代、探偵小説を読んだりテレビの探偵ドラマをよく観た。しかし「小説やドラマは、実際の私立探偵の仕事とはかけ離れたものだった」とリッフェル探偵。「テレビで視聴者が受ける印象などと比べたら、本物の探偵は待機する時間がとても長い」。探偵業とは地味な仕事だと語る。事務的な仕事も多く、デスクワークが全体の8割から9割を占める。リッフェル探偵は、探偵業をサービス業と見ており「テレビで見るような一匹狼の探偵ではない」と言う。

ほとんどがお金にかかわる調査

 リッフェル探偵の専門は経済。物品の偽造や保険詐欺などを解決する。外国まで流れるお金の動きを調査したり、負債者の支払能力を調べる。相続問題も彼の守備範囲だ。離婚の際の賠償金問題に関連し、交際関係の調査も以前は多くあったという。事件の解決までには、数年かかることもあれば、2、3日で終わることもある。お金の絡んだ問題では金額が百万フラン単位ということも珍しくはない。報酬は、見張りの場合は時間給で、遺産相続問題の場合は、扱う金額によって歩合制だ。

危険度と難易度

 私立探偵になって10年。脅迫を受けたり、車を荒らされたりもしたが、私立探偵業が特に危険な職業だとは考えていない。ピストルの所有許可証を持ち、実際所有しているが、使うことは稀である。事務所の情報管理には厳しく、機密情報はコンピュータには保存していない。ハッカーからの予防である。

 一方、仕事をする上で最も重要なのがいかに情報を収集するかである。「情報はいろいろな形で入手することができる。私立探偵をしていると、情報をいかに合法的に入手するかに苦心する」。警察と問題を起こすこともあり、探偵は常に合法と非合法の狭間で仕事をしていることをリッフェル探偵は認める。税務署で仕事に必要な情報を得ようとするときのリッフェル探偵は、控えめながら断固とした態度で臨む。「わたしは捜査員であり、興味本位で他人のプライバシーを覗きたいとは思わない」。派手な立ち回りなどなく、地味で目立たない。あくまでもすべてが仕事のためなのである。

スイス国際放送 ガビ・オクセンバイン (佐藤夕美 (さとうゆうみ)意訳)

1995年 探偵事務所を開設 現在10人の従業員を雇っている。

2004年9月まで、世界探偵協会(W.I.N)理事。会員数400人 100カ国

1998年「今年の調査員」に選ばれる。

2002年「探偵優秀賞」に選ばれる。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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