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EUの基本合意でスイスの銀行秘密、一応免れる

この協定によってスイス銀行の守秘義務はひとまず守られた。 Keystone

欧州連合(EU)15ヶ国は今週ブリュッセルで財務相理事会を開き、脱税者対策として非居住者の貯蓄課税の情報交換体制を確立することに基本合意。

このコンテンツは 2003/01/26 21:52

ただし、ベルギー、オーストリア、ルクセンブルグの3カ国はスイスと供にスイスが提案していた代替案の利子所得に源泉徴収課税を段階的に課することで、銀行の守秘義務は少なくともあと6年間は守られることになった。

協定の合意内容

スイス及び、上記の3カ国では非居住者の預金利子には来年から3年間は15%、2007年には20%、2010年には35%と段階的に税金徴収が課せられる。その徴税額の75%は口座名義人の居住国に分配される。課税率が高い理由をEUは銀行の守秘義務の代価と考える。この制度は英国のオフショア市場にも当てはまる。今後、スイスと調整が行われ、最終協定は3月の欧州理事会(European Council)で承認される予定。

スイスの反応

政府やスイス銀行協会は銀行秘密を保持できるとしてこの協定を歓迎した。フィリガー財政相は「EUはスイスが“脱税天国”ではないことを認め、経済協力開発機構(OECD)から非難の対象にならないと約束してくれなければならない」と語った。

これまでの経過

EUは税制の足並みをそろえる「税制調和」と国外への課税逃れ防止への布石を打ちたいと非居住者の貯蓄課税の情報交換を欧州全域で行おうと13年前(2000年)から検討していた。ところが、銀行の守秘義務を保持するベルギー、オーストリア、ルクセンブルグはスイスへ大量の資金が逃避することを恐れ、EUメンバーでないスイスも取り組まない限り同意しないと鼻息を荒く反対していた。そこで、銀行秘密の撤廃を迫られ、スイスが汗をかいて出したのがこの代替案だった。今回の合意もブリュッセルが「スイス銀行の情報公開制が国際レベルに達した」と認めたときのみ3カ国も情報交換体制をとるとなっている。

口の固いスイス銀行の所以

スイス銀行の機密性は預金者の名前がない「匿名番号口座」でも知られている通り、預金者の身元は固く守られている。万が一、担当者が顧客情報を外部に漏らした場合はスイス銀行法により厳しく刑事処分される。この法律は1934年に定められて以来、守られており、1984年に銀行守秘義務の見直しを問う国民投票でも73%の反対で否決された。これとは別に、スイス法では脱税は諸外国とは違い、刑法上の犯罪にならない。偽造の納税申告や所得隠しは、行政上の規則違反にしかならないため、外国政府からの問い合わせには答えないことになっている。

スイスで金を隠せるのか?

しかし、スイスは世界各国と司法協力協定を結んで自国の刑法にない脱税以外は協力要請に応じている。不正資金の流入や大物政治家の隠し資産、資金洗浄の温床になっていると国際的批判から、現在ではマネー・ロンダリング規正法により預金者の身元確認と、犯罪がらみの資金でないことの証明が口座開設の条件となっている。対外的にも、外国政府からの犯罪関係の調査協力依頼があれば、スイス法院が認定したものに限り、預金者情報の公開にも応じる体制になっている。最近では、米国の要請でアルカイダと関連があると思われる口座凍結やユーゴスラビアのミロセビッチ前大統領の数百億円相当の個人資産が凍結された。

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