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スキー大国スイスのカムバック

2月12日、メダルを手にポーズを取るカルロ・ヤンカ、ララ・グート、ディディエ・キュシュのトリオ Keystone

フランスのヴァル・ディゼール ( Val d'Isère ) で開催されていたアルペンスキー世界選手権は、2月15日に幕を閉じた。この大会で、スイスは20年ぶりにメダル獲得最多国に返り咲いた。

ディディエ・キュシュ、カルロ・ヤンカ、そしてララ・グートの3人が獲得したメダルの数は合計6個。今回の世界選手権でこれ以上のメダルを獲得した国はなかった。世界選手権の結果は現在の状態の表れでしかない。だが、今回の世界選手権ではこれまでの忍耐と継続的な選手の育成が確認された形となった。

新旧スキーヤーのミックス

 ディディエ・キュシュはスーパー大回転で金、滑降で銀を、カルロ・ヤンカは大回転で金、滑降で銅を、そしてまだ17歳の新星ララ・グートは滑降とスーパー複合の両方で銀を獲得した。この6つのメダルは偶然の結果ではなく、今シーズンのW杯の好成績を反映しているといえよう。

 スイスチームは4年前のボルミオ大会では1つもメダルを取ることができなかった。だが、スイスはこのわずかな期間にレースに強いチームに成長した。そして、2010年のバンクーバー冬季オリンピックや2011年にドイツで開かれるガルミシュ‐パルテンキルヒェン ( Garmisch-Partenkirchen ) 世界選手権といった大きな大会でも活躍が期待できる。

 スイスが最後に6つのメダルを獲得した1997年、当時チーフトレーナーを務めていたテオ・ナディク氏は
「目をくらまされるな。スイスチームには基礎が欠けている」
 と警告した。そして、その直後から敗北が続き、2005年のボルミオ大会でスイスチームはどん底を経験した。

 しかし、今回はそんな危機が訪れることもなさそうだ。現在は新旧のスキーヤーがちょうど良い具合にミックスされており、今の状態はこれまで続けられてきた努力としっかりした基礎作りと将来を見据えた協会の方針の賜物だからだ。今大会でメダルを獲得した国はこれまで最多の12カ国に及ぶ。スキースポーツは国際化する一方だが、スイスのスキーチームはその中で自己の地位を再び見出したようだ。

swissinfo

1. スイス6 ( 金2、銀3、銅1 )
2. オーストリア5 ( 2、1、2 )
3. アメリカ3 ( 2、0、1 )
4. ドイツ2 ( 2、0、0 )
5. ノルウェー、カナダ2 ( 1、0、1 )
7. フランス3 ( 0、3、0 )
8. イタリア2 ( 0、1、1 )
9. スロベニア、チェコ1 ( 0、1、0 )
11.フィンランド2 ( 0、0、2 )
12.クロアチア1 ( 0、0、1 )

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