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アイガーの壁、再び崩れ落ちる

アイガーの東壁から次々に崩れ落ちていく岩石。岩と岩をつなぎとめる接着剤の役をしていた氷が解け始めたことも原因の1つという Bruno Petroni

8月18日の正午頃、ベルナーオーバーランドにあるアイガーの東壁の一部が崩れ落ちた。落下した部分は5万立方メートルの巨大な塊で、大きさにしておよそ50軒分の家に相当するという。

 2年前にも70万立方メートルの塊が落下しており、原因は温暖化による氷河の後退と溶解のせいだという点で地質学者の見解は一致している。

100万立方メートルの巨大な岩壁が移動

 「いくつかの塊が次々と壁から離れ、氷河の上に落下していった」と地質学者、ハンス・ルドルフ・カユゼン氏は語った。

 2年前から、東壁の約100万立方メートルの巨大な岩壁が、氷河の後退と溶解のせいで不安定になっており、1日におよそ4センチメートル移動している。これは地質学的に見て、かなりの移動率にあたる。恐らくこの移動のせいで、岩の内部の緊張度が高まり、今回の大型の落下につながったとカユゼン氏はみている。

 この壁の移動部分からは、過去2年間にも岩が少しずつ連続的に落下しているが、落下地点は氷河の下方部にあたり、大きな被害は出ていない。またグリンデルワァルトの村でも、砂埃が降ったりはするが、今の所住民に特別な被害はなく、こうした落下現象を冷静に受け止めているという。 

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