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「グローバル人道フォーラム」、スタート

「グローバル人道フォーラム ( Global Humanitarian Forum )」が10月17日、ジュネーブでスタートした。

「地球温暖化が、最も貧しい人々に与える人道的なインパクトを削減することが人道フォーラムの第一テーマ」と、コフィ・アナン前国連事務総長は語った。

 グローバル人道フォーラムは、スイス外務省 ( EDA/DFAF ) が今年6月に提案し、創設を進めてきたもの。スイス政府は同フォーラムに130万フラン ( 約1億130万フラン ) を出資した。フォーラムの目的は、人道援助の専門機関、各国政府、さらに企業までを取り込み、これらの橋渡し役を務め、かつ話し合いの場としてのプラットフォームを作ることにある。またプロジェクトの資金調達も任務の1つになる。

2008年6月に会議

 「現在われわれが一番懸念する人道的問題の1つが、地球温暖化である」と人道フォーラムを指揮するアナン前国連事務総長は、ジュネーブでの記者会見で語った。2008年6月に人道フォーラムが開催する会議には、この問題に関して、多くの指導者たちが集まることになるという。

 「人類は地球温暖化には適応していく必要がある。例え温暖化ガスを一定量に保つことに成功したとしても、温暖化の影響は何十年いや何世紀にも渡って続くことになる」と記者会見に同席した、国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の議長を務めるラジェンドラ・パチャウリ博士は強調した。

 IPCCは今年のノーベル平和賞をアル・ゴア前米副大統領とともに受賞することになっている。パチャウリ博士が、人道フォーラムの21人のボードメンバーの1人であることは象徴的である。

グローバル人道フォーラムは、スイス外務省 ( EDA/DFAF ) が今年6月に提案し、創設を進めてきた。温暖化、自然災害、国際紛争などが引き起こす人道問題を扱っていくことになる。

プロセスとしては、経済、環境問題、軍事問題などという、従来のセクター化をはずし、テーマに従って、今まで同じテーブルに着いたことのない「役者」たちに同席してもらうことになるという。そのため、各政府、各国連機関、企業、NGO、軍隊などの橋渡し、仲介役を行っていく。

場所はジュネーブの国連広場のすぐそばの旧邸宅「ビィラ・リゴ ( Villa Rigot) 」で、スタッフはおよそ20人である。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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