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「国際透明性インデックス2002発表」 国際透明性機構

「過去1年間進歩がない」と評されたスイスは12位 swissinfo.ch

ベルリンの国際透明性機構(Transparency International)による世界102カ国の公共汚職認識度を分析した透明性ランキング「Corruption Perception Index 2002」が28日発表された。

最も透明性が高いとされたのはフィンランド。スイスは強い縁故主義により12位、日本は20位。

フィリップ・レヴィ国際透明性機構スイス支部長は、「(ランキングは)その国の外国投資情勢のインディケーター。汚職の無い国と評価されたら、外国人投資家はさらに増える。」という。透明性が最も高いと評価されたのはフィンランドで、2位はデンマークとニュージーランド。アジアでトップ10入りしたのはシンガポールの5位だけで、日本はベルギー、スペインとならんで20位だった。

国際透明性機構は同調査において、スイスは過去1年、小規模な汚職の原因となる政府と企業の癒着の切断においてほとんど進歩がなかったと手厳しい評価を下した。レヴィ・スイス支部長によると、スイスの問題の根源は、国の小ささにある。小国ゆえに、人材が地方、政党から軍まで交錯し「全員が知り合い」という人脈が出来上がってしまう。さらに、銀行秘密保持法、租税逃避、マネーロンダリングなどの問題が、スイスの汚職度評価を低くしているという。

が、スイスの足を引っ張る最大の要因は、連邦レベルでの汚職対策の失敗と、州レベルでの汚職に対する無関心さにある。さらに、欧州連合反汚職条約に2年半前に署名したまま未だに批准していないことに対する批判も強い。レヴィ・スイス支部長は、各州政府が汚職対策にもっと真剣に取り組まなければならないとswissinfoに語った。

またレヴィ支部長は、スイスには汚職など無いと思い込んでいる国民の意識こそが問題だという。「これまで我々は、汚職は世界中にあるがスイスにだけは無いと思い込んでいた。縁故主義は巨額な金が絡む問題ではないが汚職である事には変わりは無く、納税者と消費者はその犠牲者だ。」。リポートによると、2001年スイスの法廷では約40件の汚職が処理されたというが、この数字はごく一部に過ぎないとレヴィ氏はいう。

ランキング
1位フィンランド
2位デンマーク、ニュージーランド
4位アイスランド
5位シンガポール、スウェーデン
7位カナダ、ルクセンブルク、オランダ
10位英国
11位オーストラリア
12位スイス
他、香港(14)米(16)
チリ(17)独、イスラエル(18)
日本(20)ボツワナ、イタリア(24)
ナイジェリア(101)
バングラデシュ(102)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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