The Swiss voice in the world since 1935
トップ・ストーリー
スイスの民主主義
ニュースレターへの登録

コロナ大流行のジュネーブ、葬儀屋がパンク状態に

coffins
ジュネーブのお墓のいくつかは、遺体安置所が満杯だ © Keystone / Salvatore Di Nolfi

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡者の急増で、ジュネーブの葬儀業者が対応に追われている。他のフランス語圏地域も限界に達しつつある。

ジュネーブ市広報によると、同市の葬儀業者は1日18回の火葬を行っている。死亡から葬儀までにかかる日数は約10日と、通常の4~5日の倍近い。

サン・ジョルジュ墓地とデロワ墓地の遺体安置所は満杯で、遺体をジュネーブ大学病院(HUG)に移送せざるを得ない状態だ。

「この仕事に就いて50年、このような状況は見たことがない」。民間葬儀会社ムリスSA外部リンクのジャン・ ムリス社長は、スイスの通信社Keystone-SDAに対しこう語り、ジュネーブが異常事態にあると説明した。

新型コロナの流行第2波に見舞われる欧州で、ジュネーブは最も感染者が多い地域の1つだ。病院も満床状態にあり、一部の患者をドイツ語圏の病院に移送している。死亡者数も上昇中だ。

ムリス氏によると、死亡者数は倍増した。同社では1日に3~7回の葬儀を行っており、故人の約7割がコロナ感染者だという。

スケート場に遺体安置?

他の地域の葬儀屋もてんてこ舞いだ。ジュラ州で葬儀業を営むジェローム・ボワザール氏は「過去2〜3週間、コロナ感染者やそうでない人の死亡数が急増している」と話す。今のところ対処はできているが、「従業員はギリギリの状態で働いており、労働時間が長くなっている」という。

スイス唯一の民営火葬場であるサン・レオナルド火葬場外部リンク(フリブール)も稼働率が急速に上がっている。 マネージャーのジャン・ロベール・クレブ氏は「1日21時間、2つの火葬炉を土日もノンストップで稼働させている」と話す。遺体の到着後24時間以内に火葬を済ませるため、他の州からの火葬要請を断っているという。

ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)外部リンクによると、フリブール州は遺体安置所の代わりにスケートリンクを使うことを検討している。ヴァレー(ヴァリス)州やヌーシャテル州、ジュネーブ州も同様の計画がある。

おすすめの記事
ワクチン

おすすめの記事

スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし

このコンテンツが公開されたのは、 スイスは4月1日、新型コロナウイルス感染症に対する全国的な感染対策を全て撤廃した。秋冬の感染再拡大が懸念される中、スイス公衆衛生当局はマスク義務の再開は必要ないとしている。

もっと読む スイスのコロナ情報 マスク義務再開はなし

人気の記事

世界の読者と意見交換

ニュース

ひまわり畑

おすすめの記事

見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦鉄道(SBB)は17 日、目に見えない障がいを持つ乗客を対象としたヘルプマークの配布を試験的に開始した。外見からは分からなくても支援・配慮を必要としている人への理解を深めることを目的としている。

もっと読む 見えぬ障がい伝えるバッジ、試験配布開始 スイス連邦鉄道
UBS

おすすめの記事

スイス政府、金融規制改革の最終案を発表

このコンテンツが公開されたのは、 スイス連邦内閣は6日、クレディ・スイス危機を踏まえた金融規制改革の最終案を発表した。自己資本規制を強化し、金融監督局の権限も強化する。

もっと読む スイス政府、金融規制改革の最終案を発表
ガザ

おすすめの記事

スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難

このコンテンツが公開されたのは、 パレスチナ自治区ガザにおけるイスラエルの「戦争犯罪」に関して、スイスの元外交官55人がスイス外相に共同書簡を送り、スイスの「沈黙と消極性」を非難した。政府に対して直ちに措置を講じるよう求めた。

もっと読む スイスの元外交官50人、ガザめぐる政府の「沈黙」を非難
軍隊

おすすめの記事

スイスで放射能測定の合同演習 

このコンテンツが公開されたのは、 スイスでは2~6日、国際チームがヘリコプターで空中の放射能測定を行っている。緊急時に広い範囲の放射能を迅速にチェックする予行演習だ。

もっと読む スイスで放射能測定の合同演習 
サルコ

おすすめの記事

自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡

このコンテンツが公開されたのは、 自殺カプセル「サルコ」を運営する自殺ほう助団体「ラストリゾート」共同設立者のフロリアン・ウィレ氏(47)が、先月5日にドイツで死去していたことが分かった。

もっと読む 自殺カプセル「サルコ」運営団体代表が死亡
土砂崩れ

おすすめの記事

スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む

このコンテンツが公開されたのは、 スイス南部レッチェンタール(ヴァレー州)で28日午後、大きな氷河が崩壊し、大規模な土砂崩れがふもとのブラッテン村を襲った。多数の家屋が倒壊し、1人が行方不明。

もっと読む スイス南部で氷河が崩壊 土石流がふもとの村を飲み込む

swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。

他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部