
コロナ大流行のジュネーブ、葬儀屋がパンク状態に

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死亡者の急増で、ジュネーブの葬儀業者が対応に追われている。他のフランス語圏地域も限界に達しつつある。
ジュネーブ市広報によると、同市の葬儀業者は1日18回の火葬を行っている。死亡から葬儀までにかかる日数は約10日と、通常の4~5日の倍近い。
サン・ジョルジュ墓地とデロワ墓地の遺体安置所は満杯で、遺体をジュネーブ大学病院(HUG)に移送せざるを得ない状態だ。
「この仕事に就いて50年、このような状況は見たことがない」。民間葬儀会社ムリスSA外部リンクのジャン・ ムリス社長は、スイスの通信社Keystone-SDAに対しこう語り、ジュネーブが異常事態にあると説明した。
新型コロナの流行第2波に見舞われる欧州で、ジュネーブは最も感染者が多い地域の1つだ。病院も満床状態にあり、一部の患者をドイツ語圏の病院に移送している。死亡者数も上昇中だ。
ムリス氏によると、死亡者数は倍増した。同社では1日に3~7回の葬儀を行っており、故人の約7割がコロナ感染者だという。
スケート場に遺体安置?
他の地域の葬儀屋もてんてこ舞いだ。ジュラ州で葬儀業を営むジェローム・ボワザール氏は「過去2〜3週間、コロナ感染者やそうでない人の死亡数が急増している」と話す。今のところ対処はできているが、「従業員はギリギリの状態で働いており、労働時間が長くなっている」という。
スイス唯一の民営火葬場であるサン・レオナルド火葬場外部リンク(フリブール)も稼働率が急速に上がっている。 マネージャーのジャン・ロベール・クレブ氏は「1日21時間、2つの火葬炉を土日もノンストップで稼働させている」と話す。遺体の到着後24時間以内に火葬を済ませるため、他の州からの火葬要請を断っているという。
ドイツ語圏のスイス公共放送(SRF)外部リンクによると、フリブール州は遺体安置所の代わりにスケートリンクを使うことを検討している。ヴァレー(ヴァリス)州やヌーシャテル州、ジュネーブ州も同様の計画がある。

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