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CERN、ヒッグス粒子探究の電子・陽電子加速器(LEP)取り壊しを決定

宇宙の起源とビッグバン解明への鍵を握る未知の素粒子ヒッグス粒子。その存在確認を示唆するデータを得たとの発表が今月あったばかりだが、欧州原子核研究所(CERN・ジュネーブ)は、ヒッグス粒子研究のための電子・陽電子加速器の取り壊しを発表した。(写真:電子・陽電子

宇宙の起源とビッグバン解明への鍵を握る未知の素粒子ヒッグス粒子。その存在確認を示唆するデータを得たとの発表が今月あったばかりだが、欧州原子核研究所(CERN・ジュネーブ)は、ヒッグス粒子研究のための電子・陽電子加速器の取り壊しを発表した。(写真:電子・陽電子を衝突させる加速器LEP)

8日CERNのルチアーノ・マイアニ所長は、電子・陽電子を衝突させる加速器Large Electron-Proton(LEP)を取り壊すと発表した。LEPは、宇宙の起源と考えられる素粒子「ヒッグス粒子」を発見するために11年間使用されてきた。

CERNの科学者等は、ヒッグス粒子の存在を示唆する有力データを得たことから、実験継続を主張、LEPを止めないよう訴えていた。が、マイアニ所長は、データは2001年もLEP稼動継続を決められるほど決定的な証拠とはいえない。」とし、実験中止を決定した。

LEP取り壊しは、180億ドルをかけた新しい大型加速器を導入しての5年間の実験計画があることから決定された。この新型加速器Large Hadron Colliderは、瑞仏国境下の27kmの円形トンネルに建設される。稼動開始は早くても2006年と、6年も研究に空白期間があくため、ヒッグス粒子発見の栄誉を米国のライバル・チームに持っていかれる心配が濃厚だ。ヒッグス粒子の発見は、ノーベル賞級の重大発見だ。

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