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「つぶやきの海」へ漁に出る

ミンシュの海に泳ぐ魚は、仲間のトゥイッターを探しに旅立つ

アメリカ元副大統領でノーベル賞受賞者のアル・ゴア氏は今でもスポットライトに照らされている。彼の人生は金魚鉢に入れられ大勢の人の見世物のようになっている。彼は毎日のように、水の流れに身を任せ、時々流れに沿うように尾ひれを動かす。

連邦工科大学ローザンヌ校 ( ETHL/EPFL) のIT専門の学生たちが構築したオンライン世界「ミンシュ」には色鮮やかな「見本のフィッシュ(魚)」たちが生息する。

めだかの学校

 「ミンシュ ( Minsh ) 」の創造者たちは、ミンシュが3次元の世界をリアルタイムで動き、共通の意識を持つ社会として成長することを想定している。
 「ミンシュはトゥイッター (Twitter ) のユーザーの分身のフィッシュが泳ぐビジュアルワールドの水の中の世界です」
 と共同制作者の1人バルバラ・イェルシン氏は、アメリカ発の人気のコミュニケーションサービスを引用して説明する。「例えば、アル・ゴアは、トゥイッターにブログサイトを出していていますが、彼の知らぬ間に彼は ( 魚として ) ミンシュにも生息できるのです」

 ミンシュ構築の基本的構想は、人間がインターネット上で考えていることや話している習性は、魚の社会的な習性に例えられるという理論が元になっている。ミンシュを通しユーザーは、それぞれが所属する「めだかの学校」の中でフィッシュとして泳ぎ回り、探し当てたテーマが話題となっている場所にも書き込みが現れるという仕組みだ。例えばトゥイッターに新しい書き込みをすると、書き込まれた内容をフィッシュが携えて校外に泳ぎだし、同じようなことを考えている人のところへ到達するといった具合だ。
「リアルタイムで反応します。今、オンライン上で起こっていることに反応します」
 とイェルシン氏。

 トゥイッターの経験のない読者に説明を加えると、トゥイッターは「ハロー、今何しているの?」といったことを140文字以内で書き込み、ほかの人と簡単な「つぶやき」をしながらコミュニケーションを図るサイトだ。サービスは同じような考えを持つ、見知らぬ人を検索し「仲間」を見つけコミュニケーションすることで機能する。ほかの人の新しい書き込みがほぼリアルタイムで受信できるようになっている。比較的新しいサービスだが、すでにメインストリームになりつつあり、現在400万から500万人がユーザー登録をしていて、多くのユーザーが40以上の書き込みを残している。

 北米やイギリスの政治家や、イスラエルの国防省が記者会見に使い、記者も従来型の報道を補充する形で利用している。2月末、スイスのスキーリゾート地、ヴェルビエー ( Verbier ) でイギリス人の青年2人のスーキーヤーが遭難した際、2人がトゥイッターで救助を求めたことも話題になった。

フィッシュビジネス

 イェルシン氏は、ミンシュは、彼女の言うところの「静寂に満ちた良い雰囲気」を尊重したいがために、人をビジュアル化することを意図的に避け、フィッシュを擬人化して使っているという。
「ほかのサイトは人間が主役。でも、人間の動きをよく知っているわたしたちにとって、コンピューターアニメーション上で動く人間の動作がスムーズに動かないと、ユーザーはそれが気になって仕方がないかもしれません。魚だったらその動きはもっと単純なはず」
 
 ミンシュの開発者は、ネットワークをビジュアル化し、新しい仲間に出会うための個別のツールが欲しいと思うトゥイッターのユーザーをターゲットにしているが、トゥイッターを越えて仲間を探せるため、トゥイッターのユーザーはミンシュのサービスを通し、別のソーシャルネットワークに新たに登録するかもしれないという期待もある。
「もしあなたが、トゥイッターのユーザーで、わたしが『フェイスブック ( Facebook ) 』のユーザーだとすると、ミンシュで出会えます」
 とイェルシン氏。

 「まだ初期段階にあります。つまり、いろいろと機能は考えているのですが、まだ開発していないのです。とはいえ、ミンシュをなるべく早くオンラインしたいと思っています。ユーザーの動向を知りたいと思いますし、そのニーズも知りたいので」

マネービジネス

 ソーシャルネットワークを提供する企業は、何百万人といるユーザーの動向を解析し、収益につなげる方法をまだ模索している状態だ。2008年フェイスブックの評価価値は37億5000万ドルから50億ドル ( 約3700億円から約4940億円 ) で、利益は推定で約3億ドル ( 約296億円 ) を計上したと見られている。

 「サーチエンジンと同様にソーシャルネットワークが莫大な収益を上げるとは思いません。向こう3年間で最高のモデルを構築する必要がありますが、現在における最優先事項ではありません」
 とフェイスブックの創立者、マーク・ツッカーバーク氏は語っている。「パロ・アルト・ネットワークス ( Palo Alto Networks )」の次世代ファイヤーウォール「PSシリーズ」で制御されるフェイスブックでさえ、収益源は旧来的な広告収入だ。1990年代のドットコムバブルの経験から、オンラインサービスの収益性に対する過大な期待に対しては慎重だ。一方、2006年に創立したトゥイッターの収入源は広告ではない。収入源について実行可能なビジネスプランがあるとすれば、それは極秘になっている。

 ミンシュは2010年初めには、今より進歩したフィッシュで「楽しく機能的な」ビジュアルアイテムを市場に出したい意向だ。環境保護団体と協力し絶滅の危機にある魚をユーザーに買ってもらうといったビジネスも考えているが、現在のところ、ミンシュのサービスは無料だ。
「ビジネスモデルはありますが、トゥイッターとはまったく別物です」
 とイェルシン氏はビジネスの構想をほのめかした。

swissinfo、ジャスティン・ヘーネ ローザンヌにて 佐藤夕美 ( さとう ゆうみ ) 訳

ミンシュ( Minsh ) の機能

アドベフラッシュテクノロジー上で作動する。
フィッシュはソーシャルネットワークの中のユーザー関係ではなく、その書き込み内容によって群がる性質を持つ。ユーザーはこの機能を乗り越え、自分のフィッシュを独自のテーマに割り当てることもできる。当初の案では、トゥイッターのタグの機能を使い、1分間で自動的にアップデートするというものだった。今後のバージョンでは、「the」や「have」といった共通単語でフィルターをかけるソフトを使う予定だ。

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ミンシュ ( Minsh ) の会社概要

2007年夏、スイスローザンヌ連邦工科大学 ( ETHL/EPFL) のバーチャルリアリティー研究所の学生、バルバラ・イェルシン氏とヨナタン・マイム氏によって創立。
2人は群れをシュミレーションすることを専門とする一方で、学業成果を使ったスタートアップ企業を設立した。会社はETHLから独立しているが、一部の権利を大学が所有している。ディレクター他、プログラマー、スケーラビリティーの専門家など5人が社員。報酬はスイス技術革新促進局とETHLから支払われる。
ミンシュはアマゾンのサイト上で動き、帯域幅の要求に沿ってサーバー上に表れたり消えたりする。

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