高速通信規格「5G」の通信網拡充をめぐるスイス国内の意見は、依然として割れている。
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スイス連邦政府は現在、5Gに関連する新技術がもたらす健康リスクは最小限にとどまるとの見方から、5Gアンテナ7500基の普及を進めている。
しかし価格比較サイト「コンパリス」が1023人を対象に行った調査外部リンクでは、このような政府の方針を支持した回答者は42.5%だった。反対は41.7%で、連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)が昨年に行ったアンケート調査と同様、5Gサービスをめぐるスイス世論は依然として割れていることが明らかになった。
反対派が懸念しているのは、5Gアンテナからの放射線が与える健康被害の可能性だ。しかし連邦環境省は、ネットワーク運用のためのガイドラインにより、安全性は確保されるとしている。
コンパリスの調査では、ETHZの調査結果と同様、性別による意見の違いが浮き彫りになった。女性は迅速な普及に50%が反対し、賛成は29.7%にとどまった。男性は賛成が55.1%、反対が33.6%だった。女性は「分からない」も20.3%と、男性(11.2%)より多かった。
年齢層別では、5G支持派は36~55歳よりも55歳以上の年齢層で格段に多かった。また、教育水準の高い回答者は、5Gに対してより楽観的である傾向が見られた。
反対派は5Gエリア拡大の停止を求めるイニシアチブ(国民発議)2件を提起したが、国民からの広い支持を得るには至っていない。昨年の署名活動では国民投票に必要な署名が集まらず不成立となった。
いくつかの通信業者はスイスの複数の州を相手取り、5Gアンテナの新設許可の一時停止を撤回するよう裁判所に訴えを起こしている。
(英語からの翻訳・大野瑠衣子)
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