スイス、コロナ対応「最も安全な国」に

ショッピングバッグのスイス国旗も誇らしげ!?スイスは新型コロナ危機への対応が「最も安全な国」と評価された。 Keystone / Laurent Gillieron
このコンテンツは 2020/06/09 16:57

新型コロナ危機への対応を評価した世界ランキングで、スイスは最も安全な国との評価を得た。

香港の企業連合ディープ・ナレッジ・グループが5日発表したランキング「COVID-19 地域安全性評価」で、スイスは経済の回復と「公衆の健康と安全を犠牲にすることなく、事実と科学に基づいた方法でロックダウン(都市封鎖)や経済凍結を義務付け」それを慎重に緩和していることが評価された。

ランキングは監視や検査能力、隔離や政府の対応、医療・緊急体制といった要素を評価。全部で130項目を質・量的に調べ、スコア化した。

ランキング報告書(全250ページ)は、世界保健機関(WHO)やジョンズ・ホプキンス大学、統計サイトのワールドメーター、米国疾病対策センター(CDC)など500のデータベースを参照した。

スイスは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響が欧州で最も大きかった国の1つ。人口約850万人中、政府公表値で感染者は3万934人、死者は1923人に上る。4月27日以降、スイスは段階的にロックダウンや行動規制を緩和している。

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4月中旬時点では、イスラエルとドイツが1位と2位を占め、スイスは11 位だった。

報告書は「前回の安全・リスク評価では、緊急事態への備えが高く、国家的危機に効率的に対処できる地域が高スコアを獲得した。そうした国はパンデミック(世界的流行)の初期段階にうまく対応する可能性が高かったためだ」と説明する。

一方、ランキングではロックダウンの緩和措置や経済の落ち込みへの対策も評価項目に入っている。スイスが高く評価された分野だ。

「経済リスクの対処に当たって、スイス政府の対応は高く評価される。経済危機の影響を緩和するため、弱い立場にある企業・個人を財政的に支援し、その結果他の国に比べて効率的に失業者が出るのを抑えることができた」

その他、「全国民が高い水準の医療サービスを受けることができる」「医療資源を追加的に投入する余力が大きい」点も評価された。

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世界一に立ったスイスでも、まだ完ぺきというわけではない。

報告書は「スイスの最大の弱点は、ウイルスを媒介する危険が最も高いのは無症状感染者であるにもかかわらず、症状のある人しか検査できない点だ」と指摘する。

また今後数カ月に集団感染が起きる可能性に備え、新しい感染者の監視・検査、治癒に関して首尾一貫したプログラムを確立しなければならない、とも指摘した。スイスの非集権型の医療システムは、この点で課題になる可能性があるとする。

実際のところ、危機の終息には程遠い、と報告書は警告する。

「スイスはCOVID-19との戦いで重要な役を担うことが証明され、その対処方針は注目すべきモデルだ。だがスイスの経済再開プロセスを慎重に進め、流行度合いの変化をつぶさに検証することは重要だ。そうでなければ、市民や政府、組織による犠牲や共同作業は無意味になる」

ディープ・ナレッジ・グループは香港を拠点とする営利・非営利団体によるコンソーシアム(共同事業体)。ランキングは随時更新する。

追記:読者の声

このランキングは各国の状況を比較する一助になるが、順位付けには懐疑的な意見も出ている。swissinfo.ch各国語で本記事が配信された後、一部の読者から「他の国の方が効果的」との意見が寄せられた。例としてニュージーランド、台湾、日本の名が挙がった。

実際、そうした国では異なる措置が異なるタイミングで実施された。それぞれの国がそれぞれの地理的・社会的・経済的課題を抱え、比較を難しくしている。例えばスイス自体は内陸国だが、チューリヒは空路の結節点だ。検査体制が異なれば治療方針も異なる。swissinfo.chは引き続きスイスの最新状況を注意深く取材・報道していく。

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