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繰り返される失業

景気のサイクルがますます短くなっていく現状での職探しは容易ではない Keystone

ある人は何回も失業を繰り返している。

このコンテンツは 2010/05/27 15:25

こうした繰り返し失業するケースは今まであまり知られていなかったが、実は失業者の5割がこれに当たることが今回ドイツ語圏の12州が合同で行った「失業者の調査 ( AMOSA )」で判明した。

繰り返し失業する人の増加

「子どものころ観たテレビでドイツの失業問題を扱っており、父に『失業って何?』と聞いたところ、父は『それはドイツでの話でスイスには存在しない』と答えた。ところが今日、今失業している、または過去失業していたという人を知らないスイス人は1人もいない」
と、アールガウ州の公共経済局長ウルス・ホフマン氏は「繰り返す失業問題」の調査がチューリヒで発表された際に、こうした逸話を引用した。

調査担当者たちが驚いたのは、失業経験者のうち48%が5年以内に次の職探しに職業斡旋所を訪ねていることだった。さらにこの48%の人のうち、多くが短期間で職業斡旋所に戻ってきており、24%が6カ月後に、51%が1カ月後だった。また、1999年と2008年の間で、こうした繰り返し失業する人の数は30%も増加した。

不安定な短期の仕事の増加

大学や専門学校でしっかりした専門性を身につけていない人が最も失業に陥りやすいが、繰り返し失業する人の42.7%が専門性を保障する職業訓練終了証書や大学入学資格を取得した人たちだった。

また指導者的地位にあった人で何回か失業を経験した人は、再び仕事を見つけるのがかなり困難であることが判明した。失業関係の専門家は、このグループにはより根深い問題、例えば社会性に欠けているといったことが根底にあるのではないかと推測する。

以上のような現象の原因を分析し、ホフマン氏は景気のサイクルがますます短くなり、電話一本で呼び出されるような、不安定な短期の仕事が増えているからだと指摘する。またこうした仕事のあり方は、雇用者側にも労働者側にも仕事に対する責任感を失わせる結果になっているという。

また
「多くの仕事の分野で、技術革新が超スピードで進むため、専門学校などで習得したことが、仕事に就いた時点ですでに時代遅れになっているといった状況も失業や、繰り返し失業の原因だ」
と付け加える。

早く次の仕事に就くこと

また、仕事を探している人に「なぜ失業したと思うか」という質問をし、同じ質問を雇用者側や職業斡旋所にも行ったところ、両者の答えには大きな開きがあった。

失業者は、職を失ったのは十分な専門性に欠けていたからだと答えているのに対し、雇用者側はやる気に欠けていた、または十分に仕事をこなせなかったと答えている。
「結局、できる限り個々人に合った職探しを指導し、何が本当に欠けているのかを発見し、それを意識化することが大切だ」
と「職業スイスオフィス協会 ( AOST ) 」のトマス・ブッフマン氏は言う。

この言葉を実証するかのように、州当局の指導などで、自営業を起こした人が再び職業斡旋所を訪ねる例はきわめて少ない。

ところが、職業訓練を受け直したり、やる気を起こさせるワークショップなどを行ったりした人々は、前者で50%、後者で65.2%が再び失業を経験している。
「つまり、できるだけ早く次の仕事に就く方が、職業訓練の受け直しより、より有益で、効率も良い」
とブッフマン氏は結論した。

アリアンヌ・ジゴン、swissinfo.ch
( 仏語からの翻訳、里信邦子 )

失業者の調査 ( AMOSA )

スイスドイツ語圏の12州が「失業者の調査」を行った。今回は若者、長期の失業者を主な対象にし、また分野では金融関係、ホテル業関係を中心にした。今後、健康関係の分野の調査が行われる。
調査は700人にオンラインで質問を行い、その後30人に個人面談を行った。
「繰り返し失業する人」というカテゴリーは、1度失業保険などを受給した後に仕事に就いて、5年以内に再び職業斡旋所を訪ねる人を指す。
平均10年間の長さで調査をした結果、この「繰り返し失業する人」が失業者の48%を占めることが判明した。
そのうち、42%が5年以内に2回目の職探しを行い、23%が3回目、13%が4回目、8%が5回目を行っていたことが判明した。

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