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労働組合指導者、グローバリゼーションに対する姿勢のシフトを歓迎

ジュネーブに本拠地を置く労働組合、ユニオン・ネットワーク・インターナショナルのフィリップ・ジェニングス事務総長は、世界経済フォーラムにおけるグローバリゼーション問題に対する姿勢の変化を歓迎しつつも、世界の指導者達は、自由市場が貧困と損害を増加させてきた事�

ジュネーブに本拠地を置く労働組合、ユニオン・ネットワーク・インターナショナルのフィリップ・ジェニングス事務総長は、世界経済フォーラムにおけるグローバリゼーション問題に対する姿勢の変化を歓迎しつつも、世界の指導者達は、自由市場が貧困と損害を増加させてきた事実を認識する必要があると、強調した。

クリントン米大統領は、土曜日に行ったスピーチで、グローバリゼーションを攻撃する者と盲目的に追従する者の中間に第3の道があるとし、「人間の顔を持つグローバリゼーション」を今後の指標とするべきだと、語った。

ジェニングス氏は、ダボス会議に参加するようになって6年目になるが、議題の内容と討論のトーンの変化は意義深い。参加者の討論時の態度は、ずいぶん平静になった。が、グローバリゼーションは、充分に物を流通させていない。グローバリゼーションのモデルは持続的ではないという、さらに幅広い社会的な容認性と認識が必要だが、クリントン大統領の発言は、今年のダボス会議の代表たちが、一般にはびこっているグローバリゼーションへの不満を認めようとするサインとして受け止めている。

しかし、ジェニングス氏は、「ほんの一握りの勝者と何百万もの敗者がいる。1日2ドルで生き延びている人々が2百億人もいて、300万人もの14歳以下の子供達が、児童労働者として生活している。一国内の、また国と国の間での収入格差は、第2次大戦後最大だ。労働者は、声を上げなければならない。全ての働く人々は、声を上げなければならない。このまま行ってしまっては、いけないのだ。」と、グローバリゼーション提唱者と労働組合運動の間に残る基本的な違いについては、明解にした。

グローバリゼーションの影響は、世界のいたるところでで顕著だ。スイスでは、労働組合が、労働者の権利のために戦うため、統合を始めている。「スイスでは、特にポストとテレコミュニケーションの労働組合の構造に変化が見られる。この分野の労働組合は、履行される民営化、自由化を認識する中で、連帯している。今後さらなる組合の連帯、統合が進むだろう。」と、ジェニングス氏は予測する。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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