オダイ・ダーウィッチさんは、量子コンピューターの研究のために研究者と産業界、社会をつなげる取り組みをするコンピュータサイエンティストだ。科学者だけではなく、アーティストでさえも量子技術の発展に貢献できると話す。
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ダーウィッチさんは、欧州合同原子核研究機構(CERN)の研究開発拠点「アイデアスクエア(IdeaSquare)」から生まれた取り組み、「クアンタム・フューチャーX・イニシアチブ(Quantum Future X initiative)」の発起人だ。CERNは世界最大で最高エネルギーの陽子衝突型加速器である大型ハドロンコライダー(Large Hadron Collider)で有名だが、ダーウィッチさんのチームが取り組むのは、「粒子を衝突させるのではなく、人を衝突させること」だという。
ダーウィッチさんはアーティストや量子専門家、ゲーム開発者、哲学者などを招いて、量子技術の未来像を描こうとしている。量子コンピューターの開発には、科学者や産業界だけではなく、一般の人々を巻き込むことも重要だと話す。
ジュネーブにはCERNを始め、国連欧州本部や世界保健機構(WHO)などの様々な国際機関が集まる。スイス第2の都市ジュネーブにはその他にも、約750のNGO(非政府組織)と177の在外公館がある。これらの組織では、世界各国から集まった3万2千人以上の人々が働いている。
シリーズ「国際交渉の場、ジュネーブ」では、そのような機関で働く人々を紹介していく。
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1954年に設立されたCERNは、スイス・ジュネーブとフランスとの国境にまたがって建っている。そのホームページにはこう書かれている。「宇宙は何で出来ているのか?宇宙はどのように始まったのか?CERNの物理学者たちは、世界で一番強力な大型ハドロン衝突加速器を使いながら、これらの問いに答えようとしている」
だが、CERNの研究者3600人の年金基金の資産運用は、こうした最先端の研究のやり方に相反するかのように、リスク回避型だ。
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