スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は16日、政策金利の引き上げを決めた。国内経済へのインフレ圧力を防ぐためで、利上げは15年ぶり。
このコンテンツが公開されたのは、
政策金利をマイナス0.75%からマイナス0.25%へ引き上げる。適用は17日から。利上げは2007年9月ぶり。
SNBは同日付の声明で「金融引き締めは、国内の商品やサービスにインフレがより広く波及するのを防ぐことが目的」とし「SNBによる政策金利のさらなる引き上げが当面必要であることは否定できない」と追加の利上げも示唆した。
SNBは、フランの価値を引き続き監視し、必要であれば為替介入の用意があるとした。
米連邦準備制度理事会(FRB)も15日、0.75%の利上げを決定。欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、7月中の利上げを発表した。
スイスのインフレ率
スイスの5月のインフレ率は2.9%に到達。SNBは、利上げがなければ今後数カ月間でさらに大幅上昇するとの見通しを示した。
ただSNBは、国内経済の全体的な見通しは引き続き明るいと述べた。失業率は今後も低いことが予想され、ウクライナ戦争や世界的なエネルギー危機が大きな影響を与えることはないだろう、と言う。
SNBは、今年の国内総生産(GDP)成長率を従前通り約2.5%と予測している。
(英語からの翻訳・宇田薫)
おすすめの記事
スイス下院、パレスチナ国家承認案を否決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国民議会(下院)4日、パレスチナを独立国家として承認する内容の動議を否決した。
もっと読む スイス下院、パレスチナ国家承認案を否決
おすすめの記事
スイス金融当局新トップ、「経営陣の個人責任を追及」
このコンテンツが公開されたのは、
スイス金融市場監督機構(
FINMA)の新長官に就いたシュテファン・ヴァルター氏は、監督権限の強化を求めていく立場を明確にしている。非協力的な銀行経営陣をFINMAが解任する権限も必要だとみる。
もっと読む スイス金融当局新トップ、「経営陣の個人責任を追及」
おすすめの記事
高濃度の花粉で血圧上昇 スイス研究
このコンテンツが公開されたのは、
花粉の飛散量が高まるとアレルギー患者の血圧を上昇させることが、スイスの研究で分かった。女性や太りすぎの人では特に影響が大きい。
もっと読む 高濃度の花粉で血圧上昇 スイス研究
おすすめの記事
武田薬品、スイスで最大120人の人員削減
このコンテンツが公開されたのは、
日本製薬大手の武田薬品工業が、チューリヒ州オプフィコン工場で最大120人の人員削減を行うと発表した。
もっと読む 武田薬品、スイスで最大120人の人員削減
おすすめの記事
フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの元テニス選手、ロジャー・フェデラーさんが計画するチューリッヒ湖畔のボートハウス(艇庫)建設に対し、「人々の湖畔の往来を阻害する」として反対する声が上がっている。
もっと読む フェデラーの艇庫建設に反対運動 「湖岸への出入りを阻害」
おすすめの記事
スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
このコンテンツが公開されたのは、
スイス公共放送協会(SRG SSR)は25日に開いた総会で、次期会長にドイツ語圏スイス公共放送(SRF)で文化部長を務めるジャーナリストのスザンネ・ヴィレ氏(50)を選出した。女性のトップ就任は初めて。
もっと読む スイス公共放送協会、次期会長に初の女性トップ
おすすめの記事
スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
このコンテンツが公開されたのは、
スイス下院委員会は連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)と同ローザンヌ校(EPFL)の留学生の学費をスイス人学生の3倍に引き上げる案を可決した。27日に始まる夏期本会議で審議する。
もっと読む スイス、国立大留学生の学費を3倍に引き上げへ 下院委員会が可決
おすすめの記事
FIFA、脱スイスに向け定款改正
このコンテンツが公開されたのは、
国際サッカー連盟(FIFA)は17日、本部をスイス・チューリヒ以外に移せるよう定款を改正した。
もっと読む FIFA、脱スイスに向け定款改正
おすすめの記事
ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
このコンテンツが公開されたのは、
6月15~16日に開催されるウクライナ平和サミットの舞台として、ルツェルン湖を望むホテル「ビュルゲンシュトック・リゾート」が注目を浴びている。かつては庶民も受け入れられる高級リゾートして地元に愛されていたが、近年は事情が違うようだ。
もっと読む ウクライナ平和サミットの舞台スイス・ビュルゲンシュトック 地元住民は離心
おすすめの記事
スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
このコンテンツが公開されたのは、
気候変動の影響で、スイスで花粉症患者が増加している。有症率は2割で、経済損失は最大で年間6900億円に上る。
もっと読む スイスで花粉症増加 気候変動・大気汚染が背景に
続きを読む
おすすめの記事
スイス中銀、フラン売り介入姿勢示す
このコンテンツが公開されたのは、
スイス国立銀行(中央銀行、SNB)が、通貨フランの上昇を抑えるため介入を辞さない姿勢を改めて鮮明にしている。
もっと読む スイス中銀、フラン売り介入姿勢示す
おすすめの記事
消えたスイスの「仮想フラン」構想
このコンテンツが公開されたのは、
国に仮想通貨の発行を求める声は高まっているが、スイス国立銀行(中央銀行)が耳を傾ける様子はみられない。
もっと読む 消えたスイスの「仮想フラン」構想
おすすめの記事
スイスの2021年住宅価格、コロナで上昇
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの居住用不動産の価値は、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに、2021年も力強く上昇した。
もっと読む スイスの2021年住宅価格、コロナで上昇
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。