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スイス中銀が利上げ、15年ぶり

スイス中銀
Keystone / Anthony Anex

スイス国立銀行(中央銀行、SNB)は16日、政策金利の引き上げを決めた。国内経済へのインフレ圧力を防ぐためで、利上げは15年ぶり。

政策金利をマイナス0.75%からマイナス0.25%へ引き上げる。適用は17日から。利上げは2007年9月ぶり。

SNBは同日付の声明で「金融引き締めは、国内の商品やサービスにインフレがより広く波及するのを防ぐことが目的」とし「SNBによる政策金利のさらなる引き上げが当面必要であることは否定できない」と追加の利上げも示唆した。

SNBは、フランの価値を引き続き監視し、必要であれば為替介入の用意があるとした。

米連邦準備制度理事会(FRB)も15日、0.75%の利上げを決定。欧州中央銀行(ECB)は9日の理事会で、7月中の利上げを発表した。

スイスのインフレ率

スイスの5月のインフレ率は2.9%に到達。SNBは、利上げがなければ今後数カ月間でさらに大幅上昇するとの見通しを示した。

ただSNBは、国内経済の全体的な見通しは引き続き明るいと述べた。失業率は今後も低いことが予想され、ウクライナ戦争や世界的なエネルギー危機が大きな影響を与えることはないだろう、と言う。

SNBは、今年の国内総生産(GDP)成長率を従前通り約2.5%と予測している。

(英語からの翻訳・宇田薫)

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