昨年のノーベル化学賞を受賞したスイス・ローザンヌ大のジャック・デュボシェ名誉教授(76)が14日、ジュネーブで開かれた国連の「開発のための科学技術委員会」(CSTD)で、人工知能(AI)などの新しいテクノロジーは人間がしっかりコントロールしていくべきだと語った。
このコンテンツが公開されたのは、
>>ノーベル化学賞を受賞したデュボシェ氏の功績
デュボシェ氏は出席した各国の閣僚や研究者らに「コンピューターが良心を持つのかは分からないが、この技術発展は私たちがしっかりコントロールしていかなければならない」と訴えた。またこれらの新しい技術が危険なのかどうかを見極めるモラトリアム(猶予期間)を設けることが大事だとし、政府も予防的な施策を講じて行くべきだと述べた。
ジュネーブでは15日から3日間、国連の国際電気通信連合(ITU)が主催する第2回AIグローバルサミット外部リンクが開催中。公共・民間部門のリーダーたちが集まり、国連の持続可能な開発目標達成に向け、AIがどう関与できるか協議する。
続きを読む
おすすめの記事
社交性たっぷり!ロボット「エリアス」
このコンテンツが公開されたのは、
エリアスは「ソーシャルロボット」。学校で子供たちに外国語を教える人工知能(AI)搭載の先生だ。フィンランド人の教師が開発したロボットソフトを元に制作された。生徒一人ひとりのニーズに応じ、外国語の会話習得をサポートする。他国に先駆け、フィンランドと中国で既に導入されている。
もっと読む 社交性たっぷり!ロボット「エリアス」
おすすめの記事
デュボシェ氏がノーベル化学賞を受賞、スイス人で8人目
このコンテンツが公開されたのは、
スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞を、「クライオ電子顕微鏡」を開発したスイス・ローザンヌ大のジャック・デュボシェ名誉教授(75)ら3人に贈ると発表した。スイス人で化学賞を受賞するのは8人目。受賞したのはデュボシェ氏と、米コロンビア大のヨアヒム・フランク教授、英MRC分子生物学研究所のリチャード・ヘンダーソン博士の3人。
もっと読む デュボシェ氏がノーベル化学賞を受賞、スイス人で8人目
おすすめの記事
ローザンヌ大の名誉教授がノーベル化学賞を受賞
このコンテンツが公開されたのは、
スウェーデン王立科学アカデミーは4日、2017年のノーベル化学賞を、スイス・ローザンヌ大のジャック・デュボシェ名誉教授(75)ら3氏に贈ると発表した。
もっと読む ローザンヌ大の名誉教授がノーベル化学賞を受賞
おすすめの記事
スイスの研究者ら、折り紙と3Dプリンターで新技術
このコンテンツが公開されたのは、
3Dプリンターと折り紙の技術を組み合わせて、スイスの科学者らが折りたたみ可能でばね性のある構造物を開発した。小柄だが実用性の高いハサミムシの羽を模し、テントから宇宙船まで実用性が高い。
もっと読む スイスの研究者ら、折り紙と3Dプリンターで新技術
おすすめの記事
「殺人ロボット」への対応は?
このコンテンツが公開されたのは、
「殺人ロボット」と呼ばれる自律型致死兵器システム(LAWS)に関する国際会議がジュネーブの国連欧州本部で開かれている。軍縮推進団体などLAWSの反対派は、自律型兵器の今後を協議するこの会議を「慎重だが楽観的に」注視する。
もっと読む 「殺人ロボット」への対応は?
おすすめの記事
殺人ロボット兵器 規制を巡り初の専門家会議
このコンテンツが公開されたのは、
最近ジュネーブで、殺人ロボット技術(自律型致死兵器システム/LAWS)がもたらす脅威について議論する専門家会議が開催された。スイス外務省の軍備縮小専門家ローラン・マズムジャン氏によると、ロボット革命が今後戦場にどのよう…
もっと読む 殺人ロボット兵器 規制を巡り初の専門家会議
おすすめの記事
ロボットが建築業界に革命を起こす!?
このコンテンツが公開されたのは、
これは、2005年に世界初の建築ロボット工学研究所を連邦工科大学チューリヒ校(ETHZ)に設立したファビオ・グラマツィオ教授と、マティアス・コーラー教授の考案によるものだ。 二人は、この分野の最先端を行く建築家として…
もっと読む ロボットが建築業界に革命を起こす!?
おすすめの記事
スイス、技術革新に「強く反発」
このコンテンツが公開されたのは、
「グローバル化、AI(人工知能)、仕事やコミュニティのオートメーション化への反発は、今後テクノロジーの発達につれてさらに大きくなる。社会が安定し秩序だっているスイスでは、その反発は特に大きくなるだろう」。ジュネーブにある国際・開発研究大学院の国際経済学教授、リチャード・ボールドウィン氏はこう予測する。
もっと読む スイス、技術革新に「強く反発」
おすすめの記事
スイスでビッグデータの研究進む プライバシー保護に課題も
このコンテンツが公開されたのは、
スイスの大学などが、ビッグデータを活用するための研究を進めている。複雑で膨大なデジタル情報を処理し、価値を見出す技術を構築できればスイスにとってまたとないチャンスになるが、ビッグデータが及ぼす危険性を懸念する声もある。
スイス連邦データ保護情報委員会(FDPIC)によると、ビッグデータは四つのVで定義される。四つのVはvolume(量)、velocity(速度)、variety(多様性)、value(価値)を指す。巨大なデータ情報量が、非常に速いスピードで、なおかつ様々なソースやプラットフォームによって処理されているというわけだ。
自動運転機能を搭載した車の開発に向け、リアルタイムで更新される都市の3Dモデルを作るプロジェクトがある。成功のカギはビッグデータの活用だというが、この定義を見れば納得がいく。
また、巨大なデジタル情報群を圧縮し、同時に正確な分析ができるアルゴリズムの開発プロジェクトもある。
この2件のプロジェクトは、スイス科学財団が今年
もっと読む スイスでビッグデータの研究進む プライバシー保護に課題も
おすすめの記事
人間の仕事を奪うロボット 課税対象になるべきか?
このコンテンツが公開されたのは、
「死」と「税金」。これらの二つが、人間が免れることのできないものだとすれば、私たちの社会にますます浸透し、従来の人間の仕事を奪いつつあるロボットにも、人間と同じように税金が課されるべきだろうか?
「労働力としてのロボットにも課税する」。これがジュネーブ大学教授で税金専門の弁護士でもあるグザビエ・オベルソン氏の展開する議論だ。特に製造業やサービス産業で、今後もオートメーション化が進み、人間の仕事がますますロボットに奪われることによって、世界中で失業者が増え、労働者の払う税金や社会保険料の減収が予想されるからだという。
オベルソン氏は、ロボットが請け負う労働に課税することが、雇用喪失による税金や保険料の減収を相殺する一助になると考えており、ロボットを代表する「法人組織」を作ることでそれが可能になると考えている。「ロボット税の導入には世界的なアプローチが必要だ。
もっと読む 人間の仕事を奪うロボット 課税対象になるべきか?
おすすめの記事
スイスの製造業をロボットが救う?
このコンテンツが公開されたのは、
ロボットは産業の空洞化を食い止めるだけでなく、進んでしまった時計の針を戻してくれるかもしれない。スイスの製造業で、ロボットを使って生産ラインをオートメーション(自動化)する動きが加速している。高い人件費を抑え、生産拠点の海外流出を阻止する期待が背景にある。
最近のフラン高で競争力の低下を懸念したスイスの企業は、軒並みコストの安い海外に製造拠点を移した。契機は2015年1月、スイス国立銀行(中銀)が対ユーロ上限を撤廃し、ユーロが暴落したことにある。スイスの輸出業は打撃を受け、特に欧州市場は著しく影響を受けた。
生産拠点の海外流出を食い止め、国内企業が生き残りを図る頼みの綱は、最新のイノベーション技術だ。例えば人間と協働するロボット、生産ラインの欠陥を見つけるセンサー、全稼働部門を統括する高度なソフトウェアなど、それらが建設、組立から物流、発注に至るあらゆる部門で活躍する。
もっと読む スイスの製造業をロボットが救う?
swissinfo.chの記者との意見交換は、こちらからアクセスしてください。
他のトピックを議論したい、あるいは記事の誤記に関しては、japanese@swissinfo.ch までご連絡ください。